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星を抱くもの 15 ページ23

次の瞬間、白龍、白鳳、白凰は別世界に立っていた。

「ここは…?」

目の前には、3人が立つ浜辺から水平線まで広がる青い海。

空には様々な形の島が浮かんでおり、風船を付けた親子(くじら)が楽しそうに空を泳いでいる。

砂の中から、ひょこっと顔をだした(かに)が口から泡を出すと、それは七色の輝きを持ち、ぷかぷか風にのった。

「シャボン玉みたい!」
「本当だ」

わぁあっと双子が手を差し出すと、パチン!と弾けて白鳳のシャボン玉は(ハチ)に。白凰のは蝶になった。

「すごぉおおい!きれーーーー!」

『気に入ったか?』

突然聞こえてきた声の方に振り返ると、(りん)とした雰囲気の猫が岩の上に座っていた。
銀色の毛並みと、尻尾の多さが普通の猫ではないことを物語っている。

『よく来た、白龍帝、そして(あるじ)の友よ。我が名は玉響。アラン王の(しもべ)

双子は互いの顔を見合わせた。
てっきりジンとは恐ろしい存在だと思っていたのに、猫だ。

『ここは主が望む世界。ハチャメチャでユニークで…、まるで主のようだ。愛らしいだろう。』

玉響は目を細めて、空を見上げた。

「玉響。一体何が起こっている」

白龍の一言で双子は我に返った。
そうだ、遊んでいる場合ではない。
恥じ入るように、双子はぴしっと姿勢をただした。

『カリッア。いや、アルバと言うべきか。王が与えた肉を打ち破り、復活しようとしている』

白龍は思わず前のめりになった。

「どういう事だ?!アルバは死んだはずだ。いや、仮に復活したとしてもアルバはアランには逆らえないはず!」

『……残念だが。所詮(しょせん)は力の差がものを言う。かつてフェニクスの『調停』を破ったそなたならば心当たりがあろう』

「アルバが復活………」

父親の緊張が子供にも伝わったのだろう。
双子は(おび)えるように、父親の手を握った。

『主は今、自分の総力を結集し、アルバ復活を(はば)んでいる。だが、それも長くは持つまい。』

黒いルフに飲み込まれれば、先ずアランがアルバの犠牲になるだろう。
アランさえいなければ、アルバを(しば)るものなど何一つ無いのだから。

『主がアルバを押さえ込めているうちに、早くカリッアを正気に戻すのだ。』
「……それだけでいいのか?」

『どういう意味だ』
「今のうちにカッリアを」

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年12月12日 20時

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