星を抱くもの 7 ページ15
こ、こんなの。
どうすれば……
そうだ!アランに助けを…!
ズドン!!
流星が引き倒され、足をばたつかせている。
「う…、うわぁああ!!!!」
自分から出ている声だとは思えないほど怒り狂った声だった。
「流星!しっかりしろ、流星!!!」
カリッアは流星の首に飛び付き、縄を外そうとした。流星の口から垂れたヨダレがカリッアの顔にかかったが、そんなことはどうでもよかった。
「この!こんなものっ!!!」
がむしゃら過ぎて気が付かなかった。
しゅるっと何かが首の回りに降りてきたとおもえば、ぐいっと体を地面に叩きつけられた。
「な?!」
見れば、カリッアの首にも流星同様の縄がつけられていた。
こんなもの!と、抵抗すればするほど、更に首の締め付けは強くなる。
「ぐ…っ!りゅう……」
カリッアは流星に向かって手を伸ばし、力尽きたのだった。
「これが『アルバ』か」
スカーフをタンバンのように頭に巻き顔を隠した男は、ぐったりとしたカリッアを見下ろした。
「間違いない。この男の源となっているのは、
「運べ」
男の合図で、流星とカリッアは早朝の自宅から
薄暗い場所だった。
長く使われていないのか、カビ臭いうえに、なんとも言えない不快な場所だ。
目を開ける前に、意識を戻したカリッアは『ここにいたくない』強くそう感じた。
「アルガン王の眷族は2体。1体はシャロット王のもとに。この黒馬がもう一体で間違いありません」
「馬のほうはこれ以上傷付けないよう、丁重に扱え」
流星の話にカリッアは記憶がハッキリした。
そうだ、自分達は拐われたのだ。
無理矢理目をこじ開けると、両手足が繋がれていた。
「流星!!」
「ああ、お目覚めか。アルバ様」
「アルバ?知るか!そんなやつ!!」
コイツ!
どうして、その名前を知ってるんだ?!
「アルガン王をご存じだな?王はどちらに?」
「狙いは『予言者』か」
「その通り。我々は予言者復活を望むもの」
やっぱりか。
以前から忠告は受けていた。
アランが人前に姿を現さない以上、アランと接触しようと思うものは、ハルや流星を標的にするだろう、と。
けど、何で俺なんだ?
「お前達が要らないと言うから消えただけのこと。復活なんて都合のいい!」
「王が
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