検索窓
今日:16 hit、昨日:10 hit、合計:9,131 hit

紅炎編 5 ページ2

「『ごきげんいかが?』」
「にゃー」

生垣(いけがき)の上にゆったりと寝そべっていたネコが、仕方なさげな鳴き声を上げる。

「えへへへ!おへんじしてくれた!つぎあっちー!」

たたたたた!!

「走るな。転ぶだろう」
「こーえんくん、ぼくたちどっちにいくの??」
「・・・向こうだな」
「うんっ!わかったぁあ!」

るんたるんた歩くアランの背後を紅炎が歩く。

「楽しいか?アラン」
「うんっ!」
「そうか。」

どうしても相手に緊張感を与えてしまう紅炎にとって、恐れることもなく自然体で接してくれる相手がこんな子供だということが不思議でならない。

細い裏路地を演出した道の先にその店はあった。
石畳(いしだたみ)の道には、ネコの足跡(あしあと)
青を主体に、様々な色のガラスがちりばめられているガラスランプ。
花壇(かだん)にはハーブが植えられ、木製のドアには『close』と書かれたプレートがかかっていた。

カチャ・・・


内側からドアが開き、栗色の髪をした娘と、金髪の青年が出てきた。
娘の手には可愛らしく包装された箱がある。
嬉しそうになにやら話す二人に続いて、褐色肌(かっしょくはだ)の女・・・Aが姿を見せた。

「よかったな、マルガ。欲しいものがあって」
「うん!買ってくれてありがとう!ティトスお兄ちゃん!!」
「こちらは品揃(しなぞろ)えが良いとアリババに聞いて、来たかいがありました」
「ご期待に応えられて私も嬉しいです。ありがとうございました。また、いらっしゃって下さいね」

ちょうど客を見送るために外に出てきたところだったようだ。
客の後ろ姿に頭を下げる姿は、どこからどう見ても美しい娘だった。

「あ!!Aちゃんだぁあ!」
「アラン君?」

驚いたようなAのもとに、アランが走り出す。

「Aちゃぁああん!」
「わぁあ!走っちゃダメだよ。転んじゃったらどうするの?」
「ころばないもん!」
「もう。困った子だなぁ。」

ぎゅうっと抱きしめると、アランは嬉しそうな笑い声をあげた。
アランを抱き締めながら、Aは紅炎に笑いかけた。

「いらっしゃい。」
「ああ」
「時間に間に合わなくてごめんね。丁度(ちょうど)、最後のお客さんが帰ったところだから、入って入って。」
「Aちゃんのおみせ?」
「そうだよー。小さいけどね。」
「ぼく、はいる!」
「どうぞ」

紅炎編 6→←紅炎 4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年12月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。