紅炎編 5 ページ2
「『ごきげんいかが?』」
「にゃー」
「えへへへ!おへんじしてくれた!つぎあっちー!」
たたたたた!!
「走るな。転ぶだろう」
「こーえんくん、ぼくたちどっちにいくの??」
「・・・向こうだな」
「うんっ!わかったぁあ!」
るんたるんた歩くアランの背後を紅炎が歩く。
「楽しいか?アラン」
「うんっ!」
「そうか。」
どうしても相手に緊張感を与えてしまう紅炎にとって、恐れることもなく自然体で接してくれる相手がこんな子供だということが不思議でならない。
細い裏路地を演出した道の先にその店はあった。
青を主体に、様々な色のガラスがちりばめられているガラスランプ。
カチャ・・・
内側からドアが開き、栗色の髪をした娘と、金髪の青年が出てきた。
娘の手には可愛らしく包装された箱がある。
嬉しそうになにやら話す二人に続いて、
「よかったな、マルガ。欲しいものがあって」
「うん!買ってくれてありがとう!ティトスお兄ちゃん!!」
「こちらは
「ご期待に応えられて私も嬉しいです。ありがとうございました。また、いらっしゃって下さいね」
ちょうど客を見送るために外に出てきたところだったようだ。
客の後ろ姿に頭を下げる姿は、どこからどう見ても美しい娘だった。
「あ!!Aちゃんだぁあ!」
「アラン君?」
驚いたようなAのもとに、アランが走り出す。
「Aちゃぁああん!」
「わぁあ!走っちゃダメだよ。転んじゃったらどうするの?」
「ころばないもん!」
「もう。困った子だなぁ。」
ぎゅうっと抱きしめると、アランは嬉しそうな笑い声をあげた。
アランを抱き締めながら、Aは紅炎に笑いかけた。
「いらっしゃい。」
「ああ」
「時間に間に合わなくてごめんね。
「Aちゃんのおみせ?」
「そうだよー。小さいけどね。」
「ぼく、はいる!」
「どうぞ」
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