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53話 ページ4

「アバスとアギルはどうしたんだい?」
「兄ちゃん達は、まだやってる。アンジェ、ごめん。ミケにご飯あげに行ってくれる?」
「うん!!わかった!」

日々の食料は煌帝国からの援助で成り立っている。
援助というよりは賠償(ばいしょう)に近いらしいが、アンナには難しいことはわからない。

「あれ?アランは?まだ帰ってこないの??」
「腹が減ったら帰ってくるさ。アンナ。少し、中で横になったらどうだい?」
「うん。そうするー・・・」


覇気(はき)のない声に、アイラは眉をひそめた。
具合でも悪いのだろうか。

「どうしたんだい」
「先生に会いたい」
「全く、うちに連中はそればっかりだねぇ。忙しいんだろう。そのうちくるさ」
「先生に『頑張りましたね。アンナ』って言ってもらえれば、もっとがんばれるのにぃ」
「不純な動機だねぇ。」
アンナらしいといえばアンナらしいが。

「いいのー!!先生はカッコいいもん!!この間ね!大きな水溜りがあって困ってたら、先生が抱っこして向こうまでジャンプしてくれたの!!ひゃぁああ!思い出すだけでも、先生、ちょーカッコいい〜!!!!」
「わかりやすい子だねぇ。私はアンナが嫁に行けるか不安になってくるよ。」

思い出に(もだ)えながらジタバタする娘。
()れやすいというか、なんというか・・・。

「いっその事、父ちゃんは母ちゃんが説得してやるから先生に貰ってもらうかい?」

紅炎の一件で、煌という国では複数の妻を持つことが認められている事がわかった。
あまり気は進まないが、アンナにその気があるのならと思わなくはない。

「もう!先生はそういうのじゃないの!!母ちゃんわかってない!」
「そうかいそうかい。じゃあ、もう言わないよ」
「あーあ。先生、今日もこないのかなぁ〜」
「アンナ。アランの前では言うんじゃないよ。」
「うん。わかってる」

定期的にやってくる紅明とは違って、紅炎はパタリとこの島を訪れなくなった。
それでも、我が家の末っ子は毎日毎日、待ち続けている。

大好きな2人が再びあの家でアランの名を呼ぶ、その日を。

「そう言えば、昼間作っていた煮物は気に入ってもらえたのかい?」
「うん。明日から紅輝も畑仕事するって言ってた」

アイラに言わせれば、紅明よりも年が近くキラキラ男子の紅輝の方が、アンナのタイプだと思うのだが、全くその様子がない。

年頃の娘は難しい。

しみじみと思うアイラだった。

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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飛燕(プロフ) - S夢さん» コメントありがとうございます。第2章がスタートしています!そちらもお楽しみください。 (2017年8月11日 6時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
S夢 - 主人公の心情がとても切なくて…!紅炎さん会いに行ってと思っても会ったら会ったで崩れそうで…。もう最高です!ひっっさしぶりにこんなに心に入ってくる話を読みました!更新頑張ってください!! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 7a4424b033 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» コメントありがとうございます!その二人は第2章あたりからじわじわ再登場予定です(笑)これからも宜しくお願いします (2017年8月7日 20時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - 初めまして!このシリーズがものすごく好きです!自分的には、紅覇様とティラちゃんのカップルが好きです、これからも更新がんばってください! (2017年8月7日 19時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年5月25日 7時

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