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72話 ページ23

「落ち着いて。『スパルトス』が証言をしてくれた。敵は精神を(あやつ)る術を使っていた。君はその能力の影響で錯乱状態(さくらんじょうたい)が続いていたと」


スパルトスは、すべて知っている。
その上での証言ならば、Aを(かば)ったことは明白だった。

「知られてしまったんだね?」
「シンはこの子を殺す。産ませてくれたって、この子を使おうとする!紅炎を殺すために!父親を殺すために自分が使われたなんて知ったら・・・、この子はどうなるの・・・?」


シャロットが手を振ると、ババが静かに退室していった。

「結論を言おう」
「練 紅炎。子供の父親はコイツかい?」
「・・・うん」
「その男は頼るべきではない」
「な、なんで?」
「正直に言おう。他の男の子供など可愛くもなんともないが、君は可愛い。よって、本意ではないが、愛する君の腹で育つ子供も可愛く思うことにした。」



・・・・うん???



・・・うん。


まあ、子供の事を可愛いと思ってくれるらしいので、良いことにしよう。

相変わらずだなぁ。と、思っていると、シャロットが考え込むようにじっとAの腹を見つめた。

「・・・ふむ。神秘といえば神秘だ。こうして、子が生まれててくる。君の体からだと思えば、尚の事だ。なんせ、こんな頃から知っている」
「そんなの、お互い様ですけど!」

こんな頃。と、シャロットは自分の膝丈(ひざたけ)を示した。
確かにそのくらいからの付き合いだ。
お互い知らないことのほうが少ない。

「どれどれ。ご機嫌はどうかな?」

優しく腹を撫でられて、不思議と悪い気はしなかった。

そう言えば、この子、私以外に撫でられたことない・・・。
そっか。こういう時間も大切なんだ。

「提案がある。」

提案?


「第三国で子を生み育てたらどうだろうか。」
「第三国・・・?」
「そうだ。七海連合にも煌の影響も受けていない国を選び、ある程度子が成長するまで、そこに定住する。手配は僕がしよう」

そんな事考えた事もなかった・・・。
該当する国の数は少ないが、ない事はない。


「それがこの子にとってのベスト?」
「そうだ。全てを公平に考察(こうさつ)した結果、この結論に達した」

それはつまり、これ以上の結論が無いことを意味している。
それはわかる。
わかるけれど、納得とは違う。

「教えて。なんで、紅炎はダメなの?」

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設定タグ:マギ , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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飛燕(プロフ) - S夢さん» コメントありがとうございます。第2章がスタートしています!そちらもお楽しみください。 (2017年8月11日 6時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
S夢 - 主人公の心情がとても切なくて…!紅炎さん会いに行ってと思っても会ったら会ったで崩れそうで…。もう最高です!ひっっさしぶりにこんなに心に入ってくる話を読みました!更新頑張ってください!! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 7a4424b033 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» コメントありがとうございます!その二人は第2章あたりからじわじわ再登場予定です(笑)これからも宜しくお願いします (2017年8月7日 20時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - 初めまして!このシリーズがものすごく好きです!自分的には、紅覇様とティラちゃんのカップルが好きです、これからも更新がんばってください! (2017年8月7日 19時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年5月25日 7時

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