62話 ページ13
両親は目をまん丸にした。
まさか結婚報告とは思ってもいなかったのだろう。
「相手は煌っていう国の人で、会わせることはできないけど、強くて優しい人だから・・・」
「そう！そうなのね！あんなに小さかったのに！！結婚・・・！」
これ以上嬉しい事はないと、母親が手を握ってきた。
よろこんで・・・貰えた。
祝福など望めるはずもなく、ただの思い出になるしかなかった
思わず、涙が浮かぶほど嬉しかった。
「あら？でもおかしいわね。貴方が結婚なんてしたら、城から報せがあっても良さそうなのに」
「あ。・・・あの。そ、その人とは別の場所で式を挙げたから、陛下の許しは・・・な、なくて」
「え？」
サッと母親の顔色が変わるのを、はっきりと見た。
バン！！！
卓上のものが飛び上がる程の勢いで、父親がテーブルを叩いた。
「
「あ、あなた！」
「だから、お前はバカ娘だというんだ！！慈悲深いパット陛下がお認めにならない相手なんぞロクなもんじゃない！そんなこともわからないのか！！」
「やめてちょうだい！あなた！！」
父親をなだめながらも、母の目が恐怖に染まっている。
陛下に忠誠を誓う身でありながら、陛下の意に添わない相手と婚姻したなど、とんだスキャンダルだ。
身分を
「この恥知らずが！
「あなた！やめてちょうだい！！」
いつもこうだ。
普段ならば仲のいい夫婦なのに、Aが何か行動を起こそうとすると、
言い合う二人の声に耳を
やっぱり来ちゃいけなかった・・・。
・・・ごめんなさい。
ガタ！！！
大きな椅子の音に、両親は驚いたような顔をした。
「お邪魔しました。帰ります。どうかお体に気をつけて。」
Aは用意しておいた、
「私が出来る最後の親孝行だと思うので、受け取ってください。何か困った事があったら使って下さい。」
両親の視線は、Aの顔と封筒を行ったり来たりしている。
「何を言っているの？帰ってきてくれたのよね・・・？」
本当は
仲の良い親子に戻りたかった。
昔みたいに一緒に暮らしたかった。
でも、お互いがお互いのいない時間に慣れてしまっているのも事実だ。
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飛燕(プロフ) - S夢さん» コメントありがとうございます。第2章がスタートしています！そちらもお楽しみください。 (2017年8月11日 6時) (
レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
S夢 - 主人公の心情がとても切なくて…！紅炎さん会いに行ってと思っても会ったら会ったで崩れそうで…。もう最高です！ひっっさしぶりにこんなに心に入ってくる話を読みました！更新頑張ってください！！ (2017年8月10日 21時) (レス) id: 7a4424b033 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - 薙刀桜餅さん» コメントありがとうございます！その二人は第２章あたりからじわじわ再登場予定です(笑)これからも宜しくお願いします (2017年8月7日 20時) (レス) id: 54f2f8f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
薙刀桜餅(プロフ) - 初めまして！このシリーズがものすごく好きです！自分的には、紅覇様とティラちゃんのカップルが好きです、これからも更新がんばってください！ (2017年8月7日 19時) (レス) id: 2c35b59c63 (このIDを非表示/違反報告)
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