160話 ページ10
月夜に花を咲かせてくれて以来、白龍は事あるごとに花を贈ってくれた。
そうだ。毎日毎日がとても忙しいのに。
白龍はアンナの事を忘れたことはなかった。
「「「いいわねぇ！！」」」
わっと盛り上がる周囲に、アンナは思わず身を引いた。
「私なんか娘の頃に貰ったっきりだよ。」
「それでもいい旦那じゃないか！ウチなんて・・・」
アンナそっちのけで盛り上がっていく女達の姿が懐かしいのに、どこか違和感を感じた。
禁城ではいつもアンナが中心だったからだとすぐに思い至る。
アンナが喋らなければ誰も話しかけないし、話し相手が欲しい時は手が空いている者がその役を務めてくれた。
最も、本心が言える相手は白龍、アラジン、モルジアナだけだったけれど、それでも救われていたのかもしれない。
始めは嫌で嫌で仕方がなかったけれど、梨理を始めとする女官、侍女、下女達がアンナの助けになってくれていた。
そう言えば・・・、私が居なくなった事で梨理達が陛下から
嫌な予感が胸を締め付け、城を出た事を後悔し始めていた。
野菜を洗い終えたアンナは休憩をもらい、1人離れたところでしゃがみこんでいた。
嫌になって出てきたはずなのに、こうなってみると、城の様子が気になって仕方ない。
梨理達が城を追い出されでもしたらどうしよう。
「こんなところにいたの？」
「Aちゃん」
「どうしたの？白龍帝と喧嘩でもした？」
同じ煌帝国のお妃様だったAなら笑わずに聞いてくれるだろうか。
「・・・私、頑張ったの。日焼けしないように昼間は外に出ないようにしたし、言葉遣いだって、歩き方だって、勉強だって頑張ったのに！アンジェが私らしくないって・・・」
「それは仕方がないんじゃないの？」
仕方ない？
仕方なくなんかない！
私はアンジェに、褒めて欲しかった。頑張ってるねって言って欲しかった！！
それに・・・！
「陛下が本当に好きなのは別の人だし。お嫁さんに欲しかったのは私じゃないもん！！」
は？と、言った後、Aは何か考えるようなポーズを取った。
「・・・ひょっとしてモルジアナの事言ってる？」
「知ってるの？」
「知ってるっていうか・・・。あぁ、なるほど。ちなみにモルジアナが好きな人の話は知ってる。」
「・・・知らない」
モルジアナが好きな人？
有名な話なのだろうか。
「アリババ・サルージャ。白龍帝の友人であり、彼に殺された青年だよ」
「え・・・？」
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飛燕(プロフ) - 令和元年おめでとうございます。 (2019年5月1日 6時) (
レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - あいにゃんさん» コメントありがとうございます！励みになります。未だ完結しそうにありませんが、頑張りますのでお付き合いお願いします！ (2019年4月26日 12時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(プロフ) - 小休止が入れている→入れられている の間違いです、連コメ申し訳ありません！ (2019年4月25日 20時) (レス) id: a7dec96b64 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(プロフ) - 物語の起伏の表現がとてもお上手だと思いました。物語を盛り上げるだけではなく、きちんとその合間に小休止が入れているという点が好きです。まだマギの夢小説を書いていらっしゃる方がいて嬉しいです！応援しています☆ (2019年4月25日 20時) (レス) id: a7dec96b64 (このIDを非表示/違反報告)
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