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177話 ページ36

「どうしたの?」
「おとがつよくなってる。まにあうかなぁ」

心配そうなアランは移動する3つの星をじっと目で追いかけていた。

「向こうの世界のことは向こうの人間に任せるしかないよ」
「うん・・・」

しょんぼり気落ちしたようなアランを(はげ)ましたくて、チャムスは慌てた。

アランが楽しめるような事はないか、うーんうーんと悩んだ結果、はっ!と顔をあげた。

「ねぇねぇ、アラン!ここはアランの世界だからアランが好きなように変えられるんだよ」
「う?」

きょとんと首を傾げている。

「例えば、今は夜空だけど、昼間がいいとか、お家に住みたいとか」
「ほんとー??ぼくのおねがいかなうの!?」

アランの好奇心がウズいた。

「うん!言ってみて!!」
「んとんと!!うーーんとねぇ!ぼくのおうちでてこーーーい!!」

呪文のようにそう唱えると、ぽんっとアルガン島の自宅が現れた。

「でてきたー!!」

きゃはははは!!
楽しそうに笑うアランは早速家の中に飛び込んだ。

「ちゃむす!こっちこっち!ここ、ぼくのおうちだよ!」

うん!と、チャムスも家の中に上がり込む。

「ここがとーちゃんとかーちゃんとあおばのおへやで、こっちが、ぼくとにいちゃんたちのおへや。こっちは、ねえちゃんとアンジェちゃんのおへやだよ!そんで、こっちがだいどころ!!ここでごはんたべるんだよ」

こっちこっちとダンスを踊るようにアランの体が部屋中を歩き回る。

「くふふ!!ぼくんちに、ちゃむすがいる!!へんなの!」

現実の世界にもチャムスがいればいいのに。
そんな願いが叶ったようで、部屋の真ん中でチャムスを抱き締めた。

けれど。

この世界には、両親も家族もいない。
しんっとした空間がことのほかアランに突き刺さる。

「アラン、寂しくない?大丈夫??」

ぎゅっとチャムスを抱き締める腕に益々力が入った。

「じゃあ、次は僕の番ね!」

コツン!と(ひづめ)を地面にあてると、何もなかった空間に突如(とつじょ)大海原(おおうなばら)が現れた。

ザパァアア!!
寄せては引く海に、アランのテンションが上がっていく。


「うみだぁああ!!」
「こんなことも出来るよ!」

コツン!

海の中からイルカの大群が顔を出した。

「いるかさんだぁあああ!」
「アランもやっていいよ」
「うんとぉおお!じゃあ、くじらでてこーーーーい!!」

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飛燕(プロフ) - 令和元年おめでとうございます。 (2019年5月1日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - あいにゃんさん» コメントありがとうございます!励みになります。未だ完結しそうにありませんが、頑張りますのでお付き合いお願いします! (2019年4月26日 12時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(プロフ) - 小休止が入れている→入れられている の間違いです、連コメ申し訳ありません! (2019年4月25日 20時) (レス) id: a7dec96b64 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(プロフ) - 物語の起伏の表現がとてもお上手だと思いました。物語を盛り上げるだけではなく、きちんとその合間に小休止が入れているという点が好きです。まだマギの夢小説を書いていらっしゃる方がいて嬉しいです!応援しています☆ (2019年4月25日 20時) (レス) id: a7dec96b64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年4月25日 6時

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