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175話 ページ34

その山が再び噴火を起こそうとしている。
アランはその事を報せてきたのだ。

「もしもこれが事実なら、どれだけの被害がでるか想像もつかない。とにかく、この事をすぐにレームに知らせて、住民を安全な場所まで避難させないと」

でも、どうしたらいい。
シャロットさえいれば、(またた)く間にレームに飛び警告出来るだろうが、不在だ。

それにいきなりそんな事を言われて、誰が信じると言うのか。

「避難場所。そ、そんな場所あるんでしょうか」
「なければ作ればいい。レームにも金属器使いとマギがいるはずだ。力を結集すれば、被害は減らせるはず」

ハルの問いに受け答えをするモランにふと違和感がわいた。
何故、この男はこんなに世界情勢に明るく、ジンやマギの事に詳しいのか。

「一応確認するけど、間違いなくヴェスヴィオ火山なんだね?」

火山を持つ国は多数存在する。
万が一、噴火する山を間違えていれば、それこそ、大きな被害を生む。

「場所を特定してくれと言った俺に、アランはこう応えた。『白い柱、葉っぱの(かんむり)、赤い飲み物』」

Aの脳裏に浮かぶ光景。
それが示す国はレームしかあり得ない。

「間違いない。レームだ・・・!」
「そう、なんですか?」
「『白い柱』は、神殿。『葉っぱの冠』はそのまま。オリーブの葉の冠は広く使われている。『赤い飲み物』は特産である葡萄酒の事だわ。これ全てが当てはまるのはレームしかない」

火山そのものを止めることは難しいだろうが、モランがいう通り避難ならば間に合うかもしれない。

それに、隣接(りんせつ)しているパルテビアにも警告が必要だ。
だが、どうしても気になることがAにはあった。

「でも、どうしてアラン君はこれから起ろうとしていることまで、言い当てられるの?」

『音』と言われればその通りだが、ちょっと凄すぎやしないだろうか。

「それがアラン様、本来の能力だからです」

ハルは誇らしく問いに答えた。

「チャムスは音のジン。アラン様が聴き取れるものは生命の声だけではありません。空の音、大地の音、海の音から世界中の異変を察知(さっち)する事が可能です」

「せ!世界中?!」

けど、それじゃまるで…。

「予知能力みたい」
「そう(とら)える方は多いと思いますが、別物です。一般人だって、雲の流れを読んだり、波の高さをみたりして、天候の予想を立て対策を整えています。それと似たようなものです」

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飛燕(プロフ) - 令和元年おめでとうございます。 (2019年5月1日 6時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
飛燕(プロフ) - あいにゃんさん» コメントありがとうございます!励みになります。未だ完結しそうにありませんが、頑張りますのでお付き合いお願いします! (2019年4月26日 12時) (レス) id: 0f92dbd5b0 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(プロフ) - 小休止が入れている→入れられている の間違いです、連コメ申し訳ありません! (2019年4月25日 20時) (レス) id: a7dec96b64 (このIDを非表示/違反報告)
あいにゃん(プロフ) - 物語の起伏の表現がとてもお上手だと思いました。物語を盛り上げるだけではなく、きちんとその合間に小休止が入れているという点が好きです。まだマギの夢小説を書いていらっしゃる方がいて嬉しいです!応援しています☆ (2019年4月25日 20時) (レス) id: a7dec96b64 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛燕 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年4月25日 6時

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