5話 ページ5
「ちゃむす、どぉしよ?」
『まずは味方を増やすべじゃないかなぁ』
こそっと話しかけると、チャムスからすぐに応答があった。
「はい!みかたをふやすんだ!!」
『・・・。清々しいほど、僕が言ったことそのままだね。』
「味方?あてがあるのかい?」
「うんとぉ、こーきとへびとぉ」
ぽんと浮かんできたメンバーをとりあえず上げてみる。
「練 紅輝は
「ゆーへー?なん・・・??」
「要するに閉じ込められてるってことだね」
「えぇえ。なんでぇ?」
起きてからずっと不満げだったアラン、今日イチの不満顔だ。
「確かに情報戦は、戦の
「あ。そーだ!!」
名案が浮かんだらしいアランは、元気よく立ち上がった。
「はい!りゅーせーにおねがいして、せんにゅーそーさしてもらう!りゅーせーはおうまさんだから、みつかってもだいじょーぶだもん!!くふふふ!ぼくあったまイイ!」
『子供って楽しそうに
「成る程ねぇ」
呆れたようなチャムスの声と、シャロットの楽しげな声が同時に聞こえた。
「僕もほぼ同意見だ。僕達は異国民。煌の内情に
《 バルバッド 》
見頃を迎えた美しい花達が、誰に愛でられることなく咲き誇っていた。
「章妃様、失礼いたします」
あれほどの栄華を欲しいままにしていた貴婦人が、今は見る影もなく
「紅炎は・・・、煌に到着したとか」
「はい。今朝、私も聞きました」
「私も死にたい・・・」
長年を共にした夫と引き離され、こぼれ落ちる涙さえない。
このままでは本当に
章妃には次の嫁ぎ先が決まっており、くれぐれもと言い使っている侍女達はほとほと困り果てていた。
けれど、章妃の気持ちがわからぬもになどこの城にはいない。
紅炎の悪評は知っているが、自分達には良き主人であり、章妃には良き夫だった。
どうしたら。
どうしたら、章妃様は思いとどまってくださるのか・・・。
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