40話 ページ40
アランと同じ年頃の少女の声だった。
ぺたんと尻もちをついたアランは、駆け寄ったアンジェに支えられた。
「こーき、おしろにあるごはん、ぜんぶ、みんなにわけてあげて」
しんっと部屋に沈黙が落ちた。
「ぜ、全部！？」
「紅輝様！子供の浅知恵に
「左様です！災害に備え、
「一時の感情に流されるのは、治世者として相応しくあるまじきこと！」
「場内に入れるよう、兵は配置してありますのでご安心ください！！」
「うるさぁああい！！！！」
「まだわかんないの！！みんな、こまってるよ！ぼくたちはごちそうをたべてるのに、どうしておそとのひとは、ごはんがたべられないの！！」
アランの何倍あることか。
成人男性の
バルカークの目に涙が浮かんだ。
全国民がどんなに訴えたくても、生き延びるために、決して口にすることが出来なかった言葉を今アランが
「紅輝様と平民を一緒に扱うとは無礼な！！」
シャキンと金属が抜ける音をさせて、秋明が刃をアランに向けるのが、バルカークの目に端に写った。
頭で考える余裕などない。
「お待ちください！！」
飛び出したバルカークは、秋明の腕を押さえ込んだ。
バルカークは知っている。
煌帝国の人間は、彼らの意に反せば、子供であろうと
「何をする！無礼者！！」
秋明とバルカークの揉み合いの
「おい、人の息子に何向けてんだ。コラ」
アランが幼獣なら、こちらは立派な成獣。食い殺されるような威圧に、秋明は足元から恐怖が
「そこまで」
ぴしゃ。とした冷ややかな声だった。
章妃はゆっくりと顔を
煌帝国一名高い
その美しさは、
「・・・ふふ。お前たちの負けですよ。」
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