恋になるとき。2 (ページ16)

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＊～side 広臣～ページ16

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ガヤガヤうるさい２人が居なくなったこの部屋は急に静まり返って、ちょっと気まずい。

さっきまでニコニコしていたまゆちゃんも２人を見送った直後から一切俺を見ずにテレビから視線を外さないし。

いつまで緊張してんだろ、この子。

俺のイタズラ心に火着いちゃったぞぉー！

胡座をかいたまま、まゆちゃんの方に体を向けて少しだけ距離を詰めて………ガン見。

ピクッと小さく跳ねた後、ほんの一瞬だけ俺を横目で見てすぐテレビに視線を戻して目をギュッと閉じた。

あ、顔赤くなっちゃった！

Aちゃんには強気なのに、意外と可愛いとこあるよねぇ。

「ねぇ、まゆちゃん」

「な、なんですか！？」

まだ目を閉じたまま話す姿が可笑しくて笑っちゃう。

「ねぇー、まだ緊張すんの？ちょっとこっち向いてよ！」

二の腕を指でツンツンすれば身をよじりながら俺から逃げようとする、目は閉じたまま。

「む、無理です！近くて見れない！無理！」

えー、俺も無理ー！こんな空気耐えられなーい！

……………見てよ、俺のこと。

体育座りするまゆちゃんの足の前に、もう片方は背中に当たるソファに手を付いて顔を思い切り近付けた

「なぁ、目開けろって。開けないなら………キスするよ？」

「…………………いいよ」

あら、強気！？

好きよ、俺そういうの。

もう知らなーい。

冗談だったとしても知らないよ？

隆二たち、まだ帰って来んなよ……もう１回。