42 みっくんの彼女 ページ43
なんて
言っていたけれど
やっぱりそんなわけないかって……
私、悪いことしてるんだ
みっくんは私の幼馴染みで
私の友達で
私のお兄ちゃんで
……私の好きな人
でも、みっくんは……美紀さんの同僚で
美紀さんの……恋人
近くてすごく遠い
幼馴染みだからって、彼女が居る人と
あんな風に部屋を行き来してたら
いけないんだよね
みっくんがまだ地元に居たときも
彼女が居る時期があっても
お互いの実家をよく行き来していたけど
それはあくまで実家であって
親も居るわけだし
今の一人暮らしの部屋とはわけが違ったんだ
……。
……。
なんかテンション駄々下がりで
落ち込んでいると
藤「ちょっと休まない？」
ね？って、藤ヶ谷先輩に促されて
人混みから離れた湖の前へ
穴場とはいえ、ベンチなんか空いてないから
小さな段差を見つけて二人で座った
藤「はい。」
差し出してくれたのはお茶
藤「お酒、あんま得意じゃないのかなって。」
……気づいてくれてたんだ
藤「なんか寒くなってきちゃったね。」
辺りはもうすっかり暗くなっていた
日が落ちると、やっぱり肌寒い
藤「もし、嫌じゃなかったら。」
って、スーツのジャケットを肩にかけてくれた
フワッて香る藤ヶ谷先輩の匂い
みっくんと見た夜の桜
はち切れそうな小さな蕾
『お前が風邪引くと俺が困るから』って
かけてくれたシャツ
ほんの数日前のことなのに
なんかすごく昔のことみたいなのは
あのときの私が
美紀さんという存在について
もっと楽観的だったからだろう
今までだって
みっくんに彼女が居た時期はあった
でも、そのときと決定的に違うのは年齢で
就職して自律している二人の
行く先にあるのは
やっぱり結婚なのかもしれないって
そんなことを考え出すと、益々落ちていく
そんな私を慰めるように
包み込む大きなジャケット
藤ヶ谷先輩のぬくもりが
みっくんのにリンクする
だからなんか……
藤「……美紀さんだっけ。
あの人、彼女なの？北山の。」
私の胸中を見透かすような質問が
どすんと胸にぶつかる
……。
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もも(プロフ) - ミィさん» コメントありがとうございます☆そう言って頂けてとても嬉しいです(^^)私自身が切ないのが好きで…現実にはきついですが、物語なので(￣∇￣*)ゞこれからも気長にお付き合いください(*^^*) (2019年5月6日 21時) (
レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 新作、嬉しいです。ももさんの作品は切ないものが多いですが、とても大好きです。今回は最初からもう、切なくて・・・今後も楽しみにしていますね。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2019年5月5日 0時
