月とオレンジ

24 藤ヶ谷先輩の恋愛事情 ページ25

本当にすっごく

優しそうに笑うんだよね






宮田先輩の顔が浮かぶ







萌「確かに、今のところ優しいし……

いい人だろうなと思うけど……」





やっぱり藤ヶ谷先輩が羨ましいって






萌「あ、ねぇねぇ、藤ヶ谷先輩って

彼女とか居るのかな？」






身を乗り出すようにして、小声で言う






彼女……






あの藤ヶ谷先輩のことだから

きっとすごく綺麗な人と

付き合ってるんだろうな……って

思うけど







「んー、どうなんだろうね。」


実際のことは知らない







確か高校のときは、大学生と

付き合ってるとか

バスケ部のマネージャーさんだとか……

そんな噂はたくさんあったけど







実際に目撃したことがあるのは

私たちと同じ学年にいた隣のクラスの女の子







入学した当時から可愛いって学校中の噂で……

あ、そういえば

その子もバスケ部のマネージャーだった







マネージャーになると

だいたいキャプテンと付き合えるんだよね






いや、付き合ってた…わけじゃないのかな





やっぱり私も

サッカー部のマネージャー

やってたらよかったかなー






とか、回想にふけっていると








萌「Aちゃん、聞いてみてよ！」



って







「え！？私が！？」



いや、無理無理無理無理ー//



って返すけど







萌「大丈夫だよ！

藤ヶ谷先輩とペアなんだから

聞ける機会あるでしょ！？」







って







「でも……//」








萌「お願ーい」




手を合わせて可愛くおねだりポーズ







か、可愛い……//








その姿に、私ではなく萌ちゃんが

聞いた方がいいような気がしてならないけど








「じゃあ……もし聞けそうだったら」






あまりのごり押しに渋々引き受けた





ありがとう♪と満面の笑み







あー変なこと引き受けちゃったなー







って、軽く後悔しながら、午後の仕事に向かう







藤「じゃあ、

今日は簡単に施設を案内するね。」






そう言って、１歩先を歩く藤ヶ谷先輩の後を

ついて回る







藤「ここが会議室で、ここが……」






入社して２日目






何も分からない私のペースを

気遣いながらゆっくりと紹介してくれる







藤「ここが資料室で……」







1ルーム程の小さな部屋に

ファイリングされた資料がところせましと

並んでいる







藤「この辺がね……」





色々と資料に手を伸ばしては教えてくれる

25 オフィス→←23 早朝のオフィス

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す