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STORY40 侍女長 ウメさん ページ43

…帰って、きてしまった。

5年ぶりの実家。
もはや長年住んだ我が家のように感じていたあの団子屋にいたのはたったの5年だった。

目の前にある団子屋の10倍かそれ以上程ある大きな屋敷は、23年間生きている内4分の3程住んだ思い入れのある家だ。


(…久しぶりだなぁ。)


18年間住んだ家は、相変わらずのようだった。
車が2台一緒に通れるほど広い門。
庭師が何もかも整え、洗練された庭。
そして門から遠く離れた、5人家族で住むには大きすぎる屋敷。
実際は使用人たちも住んでいるのだけれど。

緊張して思わず胸元の赤色をキュッと握る。


「お嬢様…?」


門を見上げ思い出に浸っていると、声をかけてきたのは…ウメさん。
買い出しの帰りだろうか。
膨らんだ風呂敷を抱えている。


「ウメさん!」

「お嬢様! お嬢様なのですね!? まあまあ随分と大人っぽくなられて! さあさ、早くお入りください。」


ウメさんは、私の専属侍女だった人で、第二の母上と言っても過言じゃない。
それくらいお世話になった人だ。


「久しぶりね! 変わりないかしら? 今は何を?」

「ええ、皆元気にしております。実は私、先日侍女長になりまして。今は旦那様の世話役をしております。」


その言葉で、自分がいた頃の侍女長つまり前侍女長が、割と高齢だったことを思い出す。


「ところでお嬢様はなぜ突然お戻りに?」

「…まだ大きな声では言えないのだけれど、私大切な人ができたの。その人はまだ恋人でも何でもないけれど…やっぱり、家のことをきちんとしないとって思って。」

「あらあらまあまあ! お嬢様に! 私自分のことのように嬉しいですわ。」


少し涙ぐむウメさんに、大袈裟ねと笑う。

彼女はいつもそうなのだ。
いつでも私の味方をしてくれ、寂しい時には一緒にいてくれた。
江戸に行くときなんて自分も行くと聞かなくて…苦労した。

思い出して笑みが溢れる。
そうだ、ここでの思い出は悲しいものばかりではなかった。


「もう、笑いすぎですよ。」


少しむくれる彼女は、年齢に見合わず若々しい。




[侍女長 ウメさん]
遠山 梅(とおやま うめ) 42歳女性

・成田家で働く侍女長
・元A専属侍女
・Aの小さい頃から一緒に遊んだり身の回りの世話をしてくれた人で、ずっとAの味方でいてくれた
・第二の母のような存在
・今は父剣一の世話役をしている

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 団子屋   
作品ジャンル:アニメ
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時

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