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「その…親代わりと言っておいて、こう言うのもあれなんですが…」
「はい?」

麻殻先生は顔を赤くし目を泳がせると、覚悟を決めたかのように姿勢を正しAさんを真っすぐと見つめる。



「鬼灯もいつまでも子供ではありません。一人の大人として見てやってもらえませんか」
「えっ…は、はい!もちろん。子ども扱いなどっ…」
「鬼灯をまだ“丁ちゃん”と思っていませんか?アイツはもう立派な一匹の鬼なんです」

先生にそう言われてAさんは目を丸くして少し寂しそうに笑った。

「先生の言う通り…私は丁ちゃんのまま鬼灯さんを見ていると思います」
「鬼灯はきっと今の自分を見を見てもらいたいと思っているんです」


やっぱり俺も薄々感じていたが鬼灯様はAさんに好意を抱いているのではないかと思っていた。
流石恩師鬼灯様の気持ちを気付いて手助けとはさすがだ!嫁どころか彼女いないがっ!


「今もちゃんと見ているつもりですが…」
「す、すみません!私の言いたいのはっ…」


Aさんは少し険しい顔で先生を見るので、怒らせたと先生咄嗟に誤解を解こうとした時だった。「子離れできない親なんです」とAさんは言った。



「私にとっても丁ちゃんはとても大切な存在なんです。だから…いきなり丁ちゃんを補佐官の鬼灯として見ることは出来ません。立派な大人だとは分かってます。もう私は必要じゃない事も…でも」



真剣な顔で先生にそう言って「もう少し時間をください」と正座のままAさんは深く頭を下げた。


「あ、頭をあげてください!アナタは今でも鬼灯にとって必要な存在ですっ!!」
「鬼灯様はAさんと再開し、こうして仕事ができているのがとても嬉しいと…」



俺にも鬼灯様にここで雇ってもらった恩がある。全力で恋の応援をするっ!!成功させる!!


「!?」


ガラガラとドアが横に開く音が聞え、まさかと思い先生と勢いよくドアの前を見ると。


「大丈夫」
「?!」


ドアを開けて前にいたのは座敷童の二人で俺達に親指を立て見せるとドアを閉めた。


「へっ??」


あまりにもいきなりで不思議な行動にAさんはキョトンとしていた。
俺と先生には「私達も協力する」という意味に受けとったが、何をするつもりだ…大丈夫かと不安になる。

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エリンギ(プロフ) - ★さん» コメントありがとうございます、正式に登録していないため、自動的に三ヶ月ほどで消されてしまうそうで、また貼らせていただきます (2019年8月31日 9時) (レス) id: e954f07389 (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - アヤトさん» コメントありがとうございます。正式に登録をしていないため、自動的に三ヶ月ほどで削除されるそうです。また、貼らせていただきます。 (2019年8月31日 9時) (レス) id: e954f07389 (このIDを非表示/違反報告)
アヤト - イラストとないですよ? どこにイラストがあるのですか?  (2019年8月28日 0時) (レス) id: 43219d26b1 (このIDを非表示/違反報告)
- 何処にイラスト付いてんの???【イラスト付き】って書いてるのに付いて無いんだけど??? (2019年6月20日 17時) (レス) id: 9e5a3f5f29 (このIDを非表示/違反報告)
読みの民 - 多分なんですが、「一様」と書かれているところ、文脈的に「一応」ではないでしょうか?楽しく読ませていただいたのですが、気になってしまったもので^^; (2018年8月13日 16時) (レス) id: c65c9af674 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キノコ | 作成日時:2018年6月8日 22時

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