8 ルリオ ページ8
「助かりました、おかげであの子も就職できそうです」
「さすがに医学の事までは分かりませんものね」
「はい、教師としてまだまだです」
「どんでもない、鬼灯ちゃんをあんなに立派に育てていただきありがとうございます」
「と、とんでもない!いろいろ問題のある子でしたが、親がいないにもかかわらずいろいろ知っていて、基本の字も知っていて―…」
さっきまでうさぎの生徒に医学の事で一緒に教えていた第二補佐菅同士が、いきなり鬼灯様の懇談を始め出す。
「字も計算も平均の子より知っていましたし、Aさんが教えていたからですよ」
「私は何も、もともと覚えが良く、頑張り屋でしたから」
「それにしても、こうしてAさんに出会えて本当に良かった」
「へっ?!何言ってるんですか先生いきなり///お恥ずかしい!」
顔を赤くして麻殻先生の肩を軽く叩いているように見えたが、かなり痛かったのか先生は「うぐっ」と口から何か出しそうになっていた。
「わ///私がではなく…鬼灯がです!!アイツAさんの事よく口にしていたんですよ」
「鬼灯ちゃんが?」
「まだ小鬼だと言うのに一人で達者に生きてましたよ、生きていた時にとてもお世話になった人に教わったと。その人に字や自給自足なんかもいろいろ教えてもらったってね」
鬼灯様のあの魚の取り方がAさんの教えならいろいろAさんを疑ってしまう。
綺麗な弱そうな鬼だが、川を泳ぐ魚を投げ槍で捕まえていることろは想像が出来ない。
「Aさんは元気にしてるか―Aさんとはどうしたら会えるか―Aさんにもコレを見せたいと――…いろいろと何かあればあなたの名前を口にしていましたよ」
麻殻さんが鬼灯様の昔の話をしてるとAさんは嬉しそうだったが、どこか寂しそうだった。
「私が丁ちゃんといたのはたったの半年です。先生や友人の烏頭さん蓬さんの方が丁ちゃんを支えていたと思います」
「そんな、アイツにとって貴女はとても大事な存在だったんですよ」
Aさんと鬼灯様の関係は実はさっき麻殻先生に教えてもらい、今のこの懇談を聞いていると涙が出そうになる。
「たった半年だろうが、孤独だったアイツにとって貴女が親代わりで、かけがえのない大切な人だったのでしょ」
「先生にそう言ってもらえると、誇らしく思えます」
先生にそう言われてAさんは嬉しそうにほほ笑んでそう言った。
134人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エリンギ(プロフ) - ★さん» コメントありがとうございます、正式に登録していないため、自動的に三ヶ月ほどで消されてしまうそうで、また貼らせていただきます (2019年8月31日 9時) (レス) id: e954f07389 (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - アヤトさん» コメントありがとうございます。正式に登録をしていないため、自動的に三ヶ月ほどで削除されるそうです。また、貼らせていただきます。 (2019年8月31日 9時) (レス) id: e954f07389 (このIDを非表示/違反報告)
アヤト - イラストとないですよ? どこにイラストがあるのですか? (2019年8月28日 0時) (レス) id: 43219d26b1 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 何処にイラスト付いてんの???【イラスト付き】って書いてるのに付いて無いんだけど??? (2019年6月20日 17時) (レス) id: 9e5a3f5f29 (このIDを非表示/違反報告)
読みの民 - 多分なんですが、「一様」と書かれているところ、文脈的に「一応」ではないでしょうか?楽しく読ませていただいたのですが、気になってしまったもので^^; (2018年8月13日 16時) (レス) id: c65c9af674 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:キノコ | 作成日時:2018年6月8日 22時