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「ねぇねぇ!最近鬼灯様とはどうなの?」
「え?」
「もう付き合った?」
「つ、付き合ってないよ!!」
顔を真っ赤にして首を横に降るAさんに「なんで好きなのに付き合わないの」と聞くと赤くなっている顔を手で押さえる。
「わ、分かる…?」
「うん、凄く分かりやすい!」
そう言うと絶望するようにAさんは膝から崩れ落ちる。
「ど、どうしようっ…」
「なんで困ってるの?好きって言えばイイじゃん!」
「…未練があるの」
「未練?好きな人いるのAさん!?」
「助けられなかった未練…」
「?」
「丁ちゃんは私が必ず守るって約束したのに…守れなかったの…」
Aさんは今までで一番悲しそうな顔をしていた。
もしかして生贄の事だろうか…その時はAさんは他の村で暮してたんじゃ…。
「助けに行けなかった…」
「でも今助けてるよ、鬼灯様の事、沢山」
「えっ…」
「その時は無理だったかもしれないけど、今助けてるよAさん鬼灯様の事」
「何もしてないよ…」
泣きそうなAさんの前に尻をついて座る。
「だって鬼灯様いつも仕事の時ボヤいてるよ?Aさんのおかげだって!昔の事そんなに気にしなくてもいいじゃないかな」
「…でも」
「今の暮らしに鬼灯様は幸せだって言ってたよ」
「えっ…」
「鬼になったおかげでAさんとこうして再開できたの喜んでるでしょ?Aさんもそうでしょ?」
「…えぇ」
地面に膝を付いて落ち込んでるAさんの太ももに前足を置く。
「今が幸せならそれでいいじゃないかな」
「……ありがとうシロちゃん」
ギュッと俺を抱きしめるAさんはやっぱりとてもいい匂いでお日様みたいに暖かい。
「鬼灯様に好きって伝える?」
「………うん。仕事が落ち着いたら好きだって伝える」
「ほんと!俺二人には幸せになってほしい!祝福するね!」
「ありがとう」
俺を撫でるAさんからは桃源郷でお昼寝しているような甘い匂いと、暖かいお日様に包まれているような優しさを感じる。
「早く仕事終わらせる」
「俺沢山手伝うよ!!」
「ありがとう」
早く仕事を終わらせようって言ってるけど、目の下にクマが出来ていて疲れてそうで心配だ。
俺と同じぐらいの体温だから熱とかないと思うけどとっても心配だ。
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エリンギ(プロフ) - ★さん» コメントありがとうございます、正式に登録していないため、自動的に三ヶ月ほどで消されてしまうそうで、また貼らせていただきます (2019年8月31日 9時) (レス) id: e954f07389 (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - アヤトさん» コメントありがとうございます。正式に登録をしていないため、自動的に三ヶ月ほどで削除されるそうです。また、貼らせていただきます。 (2019年8月31日 9時) (レス) id: e954f07389 (このIDを非表示/違反報告)
アヤト - イラストとないですよ? どこにイラストがあるのですか? (2019年8月28日 0時) (レス) id: 43219d26b1 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 何処にイラスト付いてんの???【イラスト付き】って書いてるのに付いて無いんだけど??? (2019年6月20日 17時) (レス) id: 9e5a3f5f29 (このIDを非表示/違反報告)
読みの民 - 多分なんですが、「一様」と書かれているところ、文脈的に「一応」ではないでしょうか?楽しく読ませていただいたのですが、気になってしまったもので^^; (2018年8月13日 16時) (レス) id: c65c9af674 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キノコ | 作成日時:2018年6月8日 22時