１８ ページ18
「お香さんも蛇ちゃん達も問題なしです」
「ありがとう」
部屋に寄ったついでにお香さんと蛇ちゃん達の検診をしていると連絡が入る。
「あっ、鬼灯ちゃんから…」
「お仕事終わったのね」
医療器具を治し自分の部屋に戻るので「部屋にいます」と鬼灯ちゃんに返信する。
「行ってらっしゃい」
いつも仕事の服ばかり来ていて、私服はほとんど着たことがない。
髪もいつも布で包んでただけだから、簪で留めた髪は新鮮で、廊下にある全身鏡で横目で見ると少し大げさに言うと生まれ変わったみたいで少し楽しい気持ちになる。
「えっ…？」」
閉めたはずの部屋のドアが少し開いていて立ち止まる。
もう鬼灯ちゃんが来たのかと部屋を覗くとドアノブを持っていた腕を強く掴まれ、部屋に引きずり込まれ、慣れていない着物で足場を崩し誰かに地面に押し倒された。
「っ――！？」
持っていた医療鞄を落としてしまい器具が地面に飛び散る。
「出口は何処だ教えろ！！」
白い服を着た、ツノの無い男にすぐに亡者だと分かる。
今の時代に死んだ男は昔の男よりも力はなく戦い方も知らない軟弱な人ばかりでこの体制でも振り払うのはとても簡単なはずなのに体が震えた。
「まだあのガキの事でも思い出したかっ？！」
「いくらでお前を買ったと思ってんだっ！！」
「殴られないと分からねぇのかお前はっ！！」
怒鳴り声が…私の上に乗るこの亡者が、あの時の男と重なって体が震えて動けなくなてしまう。
「ちゃんと言う事を聞けっ――！！」
「僕に逆らったらお仕置きだと言ったよな⁈」
「天国の生き方を教えろっ！！」
怖い、助けて…痛いっ…やめてっ…
「くそっ！！死にたいのかなぁ！！なぁあ！！」
殴られる……痛いっ…また蹴られる……またっ…
「たすけっ――！！」
怖くてあの時みたいに丁ちゃんの名前を呼びそうになった時亡者が浮いた。
「ここにいましたか」
「！！」
亡者の首根っこを掴んで亡者を睨むのは丁ちゃんだった。
「アナタは一番罪の重い阿鼻地獄に変更しましょう」
「ひぃ！！！！」
「この部屋から音がっ――！！」
「鬼灯様！？」
「も、亡者！？」
「Aさんまで…」
「丁度良かった。この亡者をお願いします。この亡者は阿鼻地獄行に変更してください」
「え、は、はい」
駆け付けた鬼たちに亡者を渡すと「今後はこのような失態がないように」と私からは見えないが駆け付けた鬼たちの顔は真っ青だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エリンギ(プロフ) - ★さん» コメントありがとうございます、正式に登録していないため、自動的に三ヶ月ほどで消されてしまうそうで、また貼らせていただきます (2019年8月31日 9時) (
レス) id: e954f07389 (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(プロフ) - アヤトさん» コメントありがとうございます。正式に登録をしていないため、自動的に三ヶ月ほどで削除されるそうです。また、貼らせていただきます。 (2019年8月31日 9時) (レス) id: e954f07389 (このIDを非表示/違反報告)
アヤト - イラストとないですよ？ どこにイラストがあるのですか？ (2019年8月28日 0時) (レス) id: 43219d26b1 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 何処にイラスト付いてんの？？？【イラスト付き】って書いてるのに付いて無いんだけど？？？ (2019年6月20日 17時) (レス) id: 9e5a3f5f29 (このIDを非表示/違反報告)
読みの民 - 多分なんですが、「一様」と書かれているところ、文脈的に「一応」ではないでしょうか？楽しく読ませていただいたのですが、気になってしまったもので^^; (2018年8月13日 16時) (レス) id: c65c9af674 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キノコ | 作成日時：2018年6月8日 22時
