5話 ページ6
私はほぼ条件反射で魔法を使っていた。
「水竜の...斬撃！」
「グボオッ！
てか竜って！！」
「お前と同じ魔法じゃねぇか！
セラフィーも滅竜魔法の使い手だったのか！」
「水だと炎が消えちまう！
うぉぉ！
どうすればぁぁ！」
「終わり？」
「なら俺だ！氷造形「風造形剣」
「なにっ！？
氷造形じゃなくて風造形魔法！？」
「グレイ！」
ナツが何やら小さな声で喋り始めた。
「・・・お前にしてはいい作戦立てたじゃねぇか。
行くぞ！」
「火竜の...斬撃！」
ナツも！？
でも水で消せば！
ナツが、ニヤリと笑った。
「なーんてなっ！」
物陰から、グレイが出てくる。
そして
「おっしゃあ！今のうち、に...」
フードが、取れた...
「「・・・」」
どうしよう、嫌われる、怖がられる...
「「すげー綺麗な目だな！その赤色/青色！」」
・・・何、て？
「おい、安静にしてた「ラクサス見ろよ！
すごく綺麗な目だぜ！
その『金髪』も綺麗だなぁ〜」」
金髪に、左右で違う目なんて
「綺麗じゃない！
私の金髪は、目は！
忌み子の象徴だ！
近づく者全てを不幸にしちゃうんだ！
来ないで！
私は綺麗なんかじゃない！
不気味だ！
不吉だ！
化け物なんだ！
だか「俺も金髪だぜ。」」
「俺はセラフィーに会えて良かったぞ！」
「俺もだ。金色は夜明けの色だろ？どこが不吉なんだ。」
「駄目だよ近寄ったら、不幸に...
っ、ぁ...
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん！！！！！！
なんでみんなこんな私に名前をくれるの！？
あの人たちみたいに接したりしないの！？
私は、忌み子なのに！！
なのに、どうして...」
「俺はセラフィーが忌み子かどうかなんて関係ねぇよ。」
「セラフィーはもう仲間だ！」
「だからセラフィー、もう泣くな。」
「っ、ﾋｯｸ...」
どうしてだろう、すごく...暖かい。
涙なんてもう流さないと思っていた。
流すことさえ許されないと思っていた。
私...涙を流しても良いんだ。
もしかしたら、いつか、
笑ったり怒ったりできるようになるのかな？
そんな風に考えていれば突然空気の流れが物理的に変わった。
「ただいまー。」
・・・この小さいお祖父さん、誰？
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作者名：氷翠 | 作成日時：2019年8月10日 20時
