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46話 ページ47

ガチャ、と扉の開く音が聞こえた瞬間私は無意識のうちに魔法を放つ準備をしていた。

「わー!!セラフィー!俺だ俺!ナツだ!」

ナ、ツ?

「ナツ?」

「あぁ、セラフィーどうかしたのか?

汗がすげぇことになってるぞ?」

「昔の、夢を見た。

すごく、怖くなった。

また、昔みたいな生活に戻るんじゃないかって」

私の目からは呆気ないほどに涙が溢れ出たうえ驚く程体も震えていた。

私の頭の中には恐怖に色しかなかった。

けど

「大丈夫だ!」

ナツが、私を抱きしめてくれた途端私の頭の中の恐怖が消えていくのを感じた。

「暖かい。

ナツ、何の魔法使ったの?」

「俺は何も魔法は使ってないぞ?」

不思議だなぁ。

「セラフィー、何かあったら言ってくれ!

俺はセラフィーが笑顔だと嬉しい!

セラフィーが幸せそうだと俺も幸せだ!

セラフィーが苦しそうだと俺も苦しいんだ。」

やっぱりナツは私が一生使えそうもない魔法を何の惜しげも無く人に使えるんだと実感する。

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作者名:氷翠 | 作成日時:2019年8月10日 20時

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