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9話 ページ11

「何言ってるの?

俺は不吉なんだよ?

こんな俺と一緒にいたら君まで怖がられちゃうよ。」

その子は私と同じ目をしていた。

左右で色が違う色。

白銀の毛並みで左目が金色。

右目が紫色。

「ふふ、私も同じだよ。」

「どういうこと?」

・・・ごく自然に久しぶりに三人以外の前でフードを外した。

「ほらね。

私はあなたと同じなんだ。

私も不気味って言われてきた。

すごく、辛かった、苦しかった怖かった。

何よりも...誰からも怖がられることが悲しかった。

だけど、今の私の帰る場所は受け入れてくれた。

きっと彼処なら君を受け入れてくれるよ。

だから...一緒に来ない?

私の相棒に、なってくれないかな?」

「・・・良いの?」

「うん」

「本当、に...?」

「うん」

「うぐっ、ヒック、うぅっ、ダメダメ泣かない泣かない...」

「泣いても、良いんだよ?

君にだって感情を表す権利はある。

だから、泣きたい時は泣こう?」

ポロリと1粒水晶が零れ落ちた。

「うぐっ、ヒッ...うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

「よしよし。

・・・そういえば、名前は?」

「...なま、え?」

・・・そんなとこまで同じなのか。

「名前はね

私は、この人は、っていうのを表す物。

それと同時に私が大事な人達から初めて貰ったプレゼント!」

「そうなんだ...俺、名前、欲しい。

セラフィーから...駄目?」

「もちろん良いよ。

ちょっと待ってね。

今、考えるから」

少しの間考えているとピッタリくるものが見つかった。

うん、これしかないな。

「決まったよ。」

「なになに?」

「ゼオラ。

これが今から君の名前...気に入ってくれた?」

「うん!じゃあ、今日から俺はゼオラなんだな!

へへ、なんかすごくポカポカする。」

「・・・そっか。

よろしくねゼオラ。」

「うん!よろしくね!セラフィー!」

こうして私には大事な大事な相棒兼親友ができた。

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作者名:氷翠 | 作成日時:2019年8月10日 20時

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