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不動「A、ごめん。謝っても許されないことをしたって、分かってる」
苦しそうな表情で、拳を握りしめる。
不動「俺じゃダメだって思ってた。酒に溺れて、どうしようもないあんな俺と一緒にいたら、Aが嫌かもしれないってずっと思ってた」
…そんなことないのに。おれはゆきちゃんが好きだから、ずっと一緒にいたかった。
『ゆきちゃんこそ、おれが嫌じゃないの…？あのとき、おれだけ助かって…』
不動「…俺はね、Aが連れていかれたときに信長様に聞かれたんだ。“Aを追いかけなくていいのか”って」
『…！』
殿、そんなことを聞いてくれてたんだ。…やっぱり、優しい方だ。
不動「そこで俺は、信長様と最後まで戦うことを、自分で選んだ。だから、Aは何も悪くないし、ちっとも嫌なんかじゃないよ」
ゆきちゃんはそう言って、柔らかく微笑んでくれた。
不動「…だから、自分で戦うことを誓ったくせに信長様を守れなかったことにいらついて、皆に当たって、酒に溺れてた」
ゆきちゃんはまた苦しそうな表情に戻って、話を続けた。
不動「…でも、修行先で信長様と話をしたんだ。向き合わなくてどうするんだって、ちょっと怒られちゃった」
眉を下げて笑いながら、ゆきちゃんはおれの手を取って、指を絡めた。
…あのときと、一緒だ。
ゆきちゃんが、おれを好きだと初めて伝えてくれた日。
不動「…俺ね、Aが好きだよ。好き、大好き」
深い紫色の瞳が、真っ直ぐおれを射抜く。
不動「俺に、君を愛させて。今までひどいことした分、たくさん愛したい。一緒にいたい」
どうかな、と優しく聞いてくるゆきちゃん。もちろん、返事は一つしかない。
『…うん、ありがとう、ゆきちゃん』
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