こじれてほどけてつながって【刀剣乱舞】 (ページ25)

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あれから、どれくらい時間が経っただろうか。

日が暮れて暗くなった部屋に座り込んでいたおれは、主君にお手紙を返さなきゃ、と立ち上がった。

すると部屋の照明がひとりでに付いて、開けっぱなしだった襖の向こうに誰かが立っているのが見えた。

急に明るくなった視界は、少しずつ見えるようになっていく。

…そこにいたのは、優しい笑顔を浮かべた、おれの大好きなゆきちゃんだった。

『……ゆ、き…ちゃん、』

何と声をかけたらいいのか、名前を呼んでもいいのか、どうしてここにいるのか、というのがぐちゃぐちゃになって出てきたのはおれが付けたあだ名だった。

不動「うん。ただいま、A」

その瞬間、おれは親を見つけた子供みたいにゆきちゃんに抱きついた。

ここに来て初めて名前を呼んでもらえたこと、「ただいま」の声が昔と一緒なことにどうしようもなく嬉しくなった。

不動「あぁ、泣かないで…」

急に抱きついてきたおれを優しく抱きしめ返して、昔とおんなじ声色であやすように囁いてくれる。

『ぐす、うぅ、ゆきちゃぁん、』

不動「うん、俺はここにいるよ」

ゆきちゃんは、馬鹿みたいに泣きじゃくるおれの頭を落ち着くまで撫でてくれた。

そして、おれが落ち着いたのを確認してゆっくり話し始めた。