有名役者は氷の呼吸を使うらしい。【鬼滅の刃】壱

29話 暖かい ページ31

冨岡｢.......おい、A


お前、半分鬼といったか。｣





.......そうだが、それがどうしたというのだ。









冨岡｢.......血を飲めば、助かるのか。｣




A｢！！｣








確かに血を飲めば、傷は塞がるし、
血液も作られるだろう。


.......血を飲めば助かる.......








が、それ以前の問題だ。







A｢っ、私、鬼なんだよ？

駄目だよ、兄さん。｣




助けようとしてくれているのはありがたいが、


半分だとしても、鬼だ。
誰かを襲うかもしれない。
.......怖い。






冨岡｢.......いや、だが、お前は自我を保てている。

知能だって失われていない。






殺す必要も、殺される必要も無い。









.......だから｣







A｢！！！？？｣









生きてくれ、









そう言われた瞬間









口に指を突っ込まれた。


ぐ、

と、容赦なく！！









A｢っ、ん！！？｣



冨岡｢.......噛め｣







.......噛めば確かに血は出るかもしれない。


が




...私は女だ。

いきなり口に手を突っ込まないで欲しかった。





そして、何回も言う。

誰かに手を出さない自信が無いのだ。



血が欲しくて、欲しくてたまらない。

涎が出てくる。
これを噛めば血が出る、と考える度に。



A(ほら、.......誰かに被害が及ぶ前に、

ここで、私は死んだ方がいい。)





Aは、絶対に指を噛まなかった。









冨岡｢.......なぜ噛まない。｣



A｢.......。｣






Aは、冨岡を睨んだ。
早く殺してくれ。とでも言うように。


すると、冨岡は

ため息をしながら

Aの口から指を抜いた。




安心......


したのもつかの間。





次は









羽織を脱いで


隊服のボタンを開け始めた。









A｢！？......｣





.......なんでそうなった。Aは思わず目が泳ぐ。



呆れを通り越して笑いが出てきそうだ。

6年前から、天然は治っていないらしい。


冨岡の、鎖骨が見えた。


.......色っぽ.....









と思った瞬間







グイ、と

引っ張られて




A｢.......！｣









.......


ボスッ、









彼の、腕の中に納まった。







口が、鎖骨にちょうど当たる位置だ。

上から、ふわり、と羽織をかけられる。





優しい、匂いがした。

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