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四拾壱 ページ42

A「あ。また間違った。」


マフラー作りを開始して2時間。


一向に進まない。


編み目を抜かしてしまったり、増やしてしまったり。


締めすぎて横幅が変わってしまったり。


A「なんなの、もう。」


何でこんなにアイツの為に頑張って、時間を費やしているのだろう。


いくら安上がりだっていってもこんなに面倒なら買った方がよかったかもしれない。


A「止めた。明日にしよう。」


解いた毛糸をテーブルに投げ捨ててソファーに寝転がる。


この時間帯は高杉は家に居ない。


私を家に送った後、どうやら彼は何処かに出かけているらしい。


用事があるなら私を送らずにそっちに行けばいいのに。


何なんだ、あの不器用で下手くそで強引な優しさは。


A「これで最悪のクリスマスになったら今度こそ口きくの辞めよう。」


私はそう言ってもう一度マフラー作りを始めた。





晋助「何だ、そのクマは。」


あれから結局最後まで編んでしまった。


終わった頃にはもう太陽が登っていていつも起きる時間の30分前。


A「ちょっと、クリスマスケーキのデザイン考えてただけです。」


貴方にあげるマフラー作ってました、なんて口が裂けても言えない。


そんな事言ったらまた余計な勘違いが増えるだけだ。


晋助「お前の作ったクリスマスケーキ楽しみにしてるぜ。」


あ、そうか。


今年はこの人と過すんだった。


A「え、ケーキ食べて行くんですか。」


晋助「当たり前だろ。」


直ぐに答えられた。


当たり前なんだ。


まあ、いいか。


一人でサンタのお菓子の乗ったケーキを食べるのも虚しいし。


A「じゃあ、今年は一回り大きく作っておきます。」


私が毎年作っているのはマグカップサイズのケーキだ。


大きく作って残すともったいないから。


A「それで、イヴは何をする気ですか。」


そこが一番不安な所だ。


また、コンテストみたいにお金をかけられては困る。


晋助「安心しろ、お前が心配する様な事は何もしねぇよ。」


私の心配している事をこの人は解っているのだろうか。


そんな不安を胸に抱えながら今日も彼登校した。

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隣の眠井 - 密かに応援してました。とっても面白かったです。次章も頑張ってください! (2015年12月25日 14時) (レス) id: bd239fc3db (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - 続きが楽しみです! 頑張ってください!! (2015年12月6日 22時) (レス) id: 29ee31762a (このIDを非表示/違反報告)
こまり君(プロフ) - すごく面白いです!!更新楽しみにしています! (2015年11月29日 23時) (レス) id: d147eb461a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高杉基 | 作成日時:2015年10月18日 3時

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