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参拾五・根源・ ページ36

バサバサと床に落ちた資料。


静まり返る廊下。


永野がぶつかった相手、それは高杉。


この学校で上手く関われば最高の学校生活を送れるが、下手をすれば最後この学校から消される。


高杉が廊下を歩けば皆が道を空けるのが暗黙のルール。


と言うか守らなければならない鉄則。


彼は校則よりも偉い存在だった。


無論、私も避けていた。


永野もいつもなら退けていた。


だが、担任に頼まれた大量の資料により視界を遮られ。


今回の結果に収まった。


晋助「おいテメェ。どこ見て歩いてやがる。」


髪を鷲掴みにされて顔を上げさせられる永野。


トモ「ご、申し訳ございません。高杉様。」


目に涙を浮かべ許しを乞う彼女に高杉は非情な決断を下す。


晋助「ごめんで済めば警察はいらねぇ。明日からの学校、楽しみにしておけよ。」


それは高杉からの合図。


コイツを落とせと言う無音の命令。


永野は絶望した表情を浮かべて、私に助けを求めて来た。


彼女は友達だ、出来るなら助けたい。


A「あの、謝っているじゃ、ないですか。」


友達を助ける気で私は声を出した。


晋助「あ?何だって、三つ編み。」


髪を両サイドで三つ編みにしていた私。


名前を覚えられていなくて当然の地味さだ。


そんな髪型の特徴で呼ばれても仕方無いだろう。


A「彼女は本気で心から謝罪しているじゃないですか。」


永野の隣りまで歩いて行く。


A「貴方も将来、人の上に立つ人ならば寛大な心で許すべきではないでしょうか。」


声も手も震える。


晋助「いい度胸してるじゃねぇか。コイツ等は明日からセットだ。」


私も的になってしまったがそんなの関係ない。


永野と戦ってやる。


私はそう決めていた。





朝、学校に行くと永野が教室で泣いていた。


制服は切り裂かれ、汚れ、ぬれていた。


何をされたか、それはすぐに解る。


「お、永野。お友達が来たぜ。」


突然背中を蹴られて教室の真ん中に転ばされる。


敢えて、口を閉ざして抵抗しない。


その方がすぐ終わる事は今までの落とされた人たちを見て学習済みだ。





髪から滴る汚い水が頬を伝う。


この姿で電車に乗るのは気が引けるが仕方がない。


トモ「じゃあ、私はこっちだから。」


死んだ様な目で私を見て永野は自分の家の方向へ歩いて行った。


そして、次の日。


永野智幸は学校に来なかった。


否、来れなかった。

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隣の眠井 - 密かに応援してました。とっても面白かったです。次章も頑張ってください! (2015年12月25日 14時) (レス) id: bd239fc3db (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - 続きが楽しみです! 頑張ってください!! (2015年12月6日 22時) (レス) id: 29ee31762a (このIDを非表示/違反報告)
こまり君(プロフ) - すごく面白いです!!更新楽しみにしています! (2015年11月29日 23時) (レス) id: d147eb461a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高杉基 | 作成日時:2015年10月18日 3時

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