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弐拾五 ページ26

晋助「大丈夫か。」


ホールに生徒が集まってくる。


自分達に集まる視線。


A「何がですか。」


白いドレスを着ているのだ目立って当然。


それもパートナーはこの学校の頂点、高杉晋助。


学校中の注目を集めても足りないだろう。


晋助「手が震えてるぜ?」


自然に握られる手。


彼に触れられる事には慣れた。


慣れるしかなかった。


A「平気です。」


高杉の手を振り払う。


早く始まって、早く終わってほしい。


そして全部終わったら病院に行こう。


立っているだけでも左足が痛くなってきた。


「それでは、2年生の部を開始します。」


騒がしかったホールが静まり返る。


かかり出す音楽。


晋助「固くなるな。」


痛みを忘れよう。


「あの高杉様と組んでいる娘、誰?」


「いつも食堂の端で食事している娘じゃない?」


高杉の取り巻きまでが私を見る。


その視線は冷たい氷のように私の背筋を伝ってきた。


恐怖で目線が下がる。


晋助「余計な事を考えるな、俺と踊る事だけ考えろ。」


高杉と息を合わせる事だけに集中する。


顔を上げると彼の後ろに見える沢山の人。


晋助「俺だけを見てろ。」


その言葉で高杉しか見えなくなる。


こんなに真っ直ぐ彼を見たのは初めてだ。


晋助「それでいい。」


満足そうに笑う高杉。


足の痛みも感じない。


この感覚だ。


思い出せた、望さんと踊っていた時と同じ。


踊りたいって思える。


軽くなるステップ。


唖然と私と高杉を見つめる観客。


もう怖くない。


そして私は捻挫も忘れて踊りきった。

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隣の眠井 - 密かに応援してました。とっても面白かったです。次章も頑張ってください! (2015年12月25日 14時) (レス) id: bd239fc3db (このIDを非表示/違反報告)
ぬえ - 続きが楽しみです! 頑張ってください!! (2015年12月6日 22時) (レス) id: 29ee31762a (このIDを非表示/違反報告)
こまり君(プロフ) - すごく面白いです!!更新楽しみにしています! (2015年11月29日 23時) (レス) id: d147eb461a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高杉基 | 作成日時:2015年10月18日 3時

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