{銀魂}金持ちに好かれていい事はない。

弐拾参 ページ24

「ストップ、ストップ！Aさん、ワンテンポ遅いですよ。」


学校では誤魔化しきれた捻挫。


だが、踊ってみると想像以上に痛かった。


先程からダンスの先生に遅れていると注意される。


思い通りにならない足と合わない高杉との呼吸。


体力は倍の速度で削られた。


晋助「A、ちょっとその場で跳ねてみろ。」


A「何ですか。嫌です。」


今ジャンプなんかしたら痛いに決まっている。


絶対跳ぶものか。


晋助「あの時、足捻ったんだろ。さっきから右にばかり体重がかかってる。」


見破られている。


A「久しぶりでまだ感覚が戻っていないだけですよ。」


でもここで辞退しようなんて言わせたくない。


迷惑なんてかけたくない。


晋助「嘘だな。授業の時より鈍くなってる。」


これは跳ぶしか誤魔化す方法が無い。


A「跳びますよ。それで満足なら。」


なるべく右に重心を傾けて跳ぶ。


痛い。


A「どうですか、大丈夫でしょう。」


なんでこんなに必死になって怪我を隠しているんだろう。


いくらなんでもここまでコイツの為にやる必要なんてないのに。


自分のやっている事が理解できなくて嫌になる。


晋助「調子が悪くなったら直ぐに言えよ。」


高杉はため息混じりにそう言った。

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