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貴女side ページ2
私は物心ついた時から母に嫌われていた。
まだ幼かった私には何故母が私を嫌うのか理解出来なかった。
しかし次第に理解していった。
私は母にも父にも似ていなかった。
そして、お酒で酔った母が私に空の缶を投げつけて言ったのだ。
「お前は私の子じゃない」と。
私は母の子ではなかった。
私は父と父の実妹の間に出来た子だった。
私の実母は私を産んだ時に他界し、私だけを残した。
父は実妹への愛ゆえに私を養子にした。
私は祖父母には実娘の子として認知されており、義母には義妹と愛した夫の子として認知された。
そして一日違いで生まれた子、さつきには実姉として認知されている。
義母は私が憎くて堪らないのだろう。
私は毎日毎日、愛していた母から「消えてしまえ」と言われ続けた。
私は一番欲しい愛を受けることが出来なかった。
だから、私は桃色のあの子が憎かった。
愛されているあの子が憎かった。
私だって愛されたかったのに…
私は父の異常で歪んだ愛しか貰えなかった。
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作者名:壱城セレサ | 作成日時:2021年4月10日 5時