【ジオウ】時計屋さんにて

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「この会社を独立国家とする！」
「馬鹿も休み休み言え」

目の前の社長につい暴言を吐いてしまった。
檀ファウンデーション社長、檀黎斗。
頭に超が10個くらいついてもおかしくないくらいすごい人。
同じくらいおかしな人。
野心がすごくて、それを実現してしまう能力もすごい。
すごいすごいしか言ってないが、そうとしか言えないのだ。
理解の範囲を超えてしまっている。
私の理解が追い付かないので、すごいという言葉にしかならない。
そんな人が私の直属の上司で、社長だ。
彼の父親が亡くなり、彼の父親の会社に勤めていた私はそのまま彼の会社で勤めている。
ある日突然秘書に任命された。
秘書業務と雑用と社長の機嫌とりと他部署のフォローが私の仕事だ。
最近は社長の機嫌とりの比重が大きい。
おかしいな、入社の時にも部署の移動の時にも機嫌とりの業務内容は聞いていないんだけど。

「明日会見を開く。マスコミを集めろ。私は王となるのだ！」

王。
なに、王様ブームなのか。

「社長」
「王、だ。檀黎斗王と呼べ」

めんどくせ。

「檀黎斗王。今度は何の思いつきですか」
「思いつきなどでは無い。これは私が長年計画してきた野望なのだ。ヴェハハハ！」

めんどくせー。
スイッチをいれる。

「まぁ、素晴らしいですね、社長！いや、檀黎斗王！その計画の全貌、教えくださいませ。私のような凡人には王の御心など理解できないでしょうが、せめて、足元のチリ程度の価値をお与えください！」
「ふふふ、いいだろういいだろう」

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