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「ウォズさん、本当になんでここにいたんですか」
「そうですね…。強いて言うなら貴女と話してみたかったからです」
「そういう事言うから警戒するんだよ…」
「警戒することは悪いことではありませんよ」
「それで?話したいことって?」
「話したいこと?」
彼が足を止めたので、私も足を止める。
振り返れば彼はキョトンとした顔をしていた。
「話したいことはありませんよ。話したいだけです」
「…話すこと自体が目的なの…。ああ、そう。じゃあなんの話しますか?」
「それでは我が魔王について」
ニコッと珍しく毒気のない笑顔をした。
ウォズさんが歩き出すので、私も並んで歩き出した。
「我が魔王ってソウゴくんだよね?今のソウゴくん見てると魔王って感じしないんだけど、本当になるの?」
「50年もあれば、人は変わります」
「…それもそうか。ウォズさんは50年後の人なの?」
「はい」
50年後かぁ。
ウォズさんは多分…私より年下だよなぁ。
20代…前半、くらい。
えっ、そしたら、ウォズさんはこの時代ではそもそも生まれていなくて、私は80歳間近のおばあちゃんだ。
私はどうなってるんだろうか。
そもそも生きてないかも。
「貴女がどうなっているかお教えしましょうか?」
「いや、いいです」
「気にならないのですか?」
「未来の私は気になるけど、どうするか決めるのはその時の“今”の私です」
「…私、貴女のそういうところ好きですよ」
「はぁ、それはどうも」
信号待ちのために立ち止まる。
ちら、とウォズさんを見る。
ずっと気になってたんだよな。
プスっとウォズさんの腕の服の切れ目に指をさした。
彼が驚いたのか飛び上がり、こちらを見た。
お、驚きすぎだろ。
「ななななにを」
「いや、好奇心で…。ごめん、そんなに驚くとは」
「いえ、大丈夫です大丈夫です」
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わたる(プロフ) - 鱒さん» こちらこそありがとうございます!神大好きなんですよ!どうしても絡ませたくてこうなりましたw (2020年8月3日 22時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
鱒 - 更新ありがとうございます!まさか神の元で就職してるとは…笑 今後のからみが楽しみです^_^ (2020年8月3日 22時) (レス) id: 18c9a6bd4e (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - 鱒さん» コメントありがとうございます。また少し更新しましたのでよろしければ…今回ソウゴくんいなくて申し訳ないですけど(;'∀') (2020年8月3日 21時) (レス) id: 33016a5e7b (このIDを非表示/違反報告)
鱒 - 更新とても嬉しいです。^_^ソウゴ君が可愛くてニヤニヤしてしまいます^_^ (2020年8月2日 22時) (レス) id: 18c9a6bd4e (このIDを非表示/違反報告)
わたる(プロフ) - まあちゃんさん» ありがとうございます!実は書いた分はまだあって、アップできていないだけなのです´д` ; 遅いですが、少しずつアップするのでよろしければお付き合いください。 (2020年5月4日 22時) (レス) id: 3e7009a64a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたる | 作成日時:2018年11月5日 0時