【ジオウ】時計屋さんにて

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うへ、疲れた。
最近仕事が忙しくて残業に次ぐ残業で休日出勤もして、何とか乗り越えた。
家としてお世話になっているクジゴジ堂にも寝に帰る状態になっていた。
仕事がやーっとひと段落した。
休日出勤の代休ももらったし、有給も使うし、祝日もあるしで10連休にしてしまった。
まぁ、どこかに行くつもりもないけど。
掃除して買い物して叔父さんの手伝いしてソウゴくんに構ってもらおう。
クジゴジ堂は叔父さんこと、大叔父さんである常盤順一郎のお店だ。
もう一人同居人がいて、叔父さんからしてみれば又甥の常盤ソウゴ。
私とちょうど一まわり年が離れている(私もアラサーだぁ…)。
私からしてみれば、又従兄弟だろうか。
ソウゴくんは高校生で、ニコニコした笑顔がすっごい可愛い。
将来は王様になる、というちょっと変わった男の子。
でもその将来の夢も順を追って話を聞けば納得できるんだけど。

「ただいま〜。明日から10連休だよー！」
「おかえり、Aさん。お疲れ様」
「ソウゴくーん、なんか久しぶり」
「ほんと。Aさん、俺が布団に入ってから帰ってくるし、朝もバタバタ出かけちゃうから全然会えてなかったね。何か飲む？コーヒーでいい？」
「うん。コーヒーでいい。コーヒーがいい。ソウゴくんが入れてくれるなら水道水でもいい」
「おつかれだなぁ」

ちょっと待ってて、と言うので一旦部屋に戻る。
カバンを投げ捨て、服を乱雑に脱ぐ。
スーツだけはシワになるのでハンガーにかけておく。
部屋着に着替えて簡単に髪をまとめた。
キッチンに行こうと部屋を出た時、あれ、と気づいた。
空き部屋になっていた部屋に誰かいる。
誰か入ったのか。
叔父さんかソウゴくんから話を聞いて後で挨拶しよう。
キッチンに戻ればコーヒーのいい匂いがした。

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