2話なんて。 ページ3
A side
「と、轟君...その、ごめんなさい....」
彼の目線が痛くて、冷たくて...つい、声が震えてしまう。
するとそれが気にくわなかったのか、轟君はさらに鋭い視線で私を睨んだ。
「.....焦凍。」
「.......え？」
「...チッ....だから、苗字呼びだと姉さんが俺たちの関係が上手くいってねぇんじゃねぇかって心配すんだろ。それに、ここの家はお前以外全員轟だ。」
.....実際、彼は私の事が嫌いだし、お姉さんもその事を知ってると思うんだけど...
でも、確かに轟さんしかいないのに苗字呼びは違和感があるかもしれない。
「.....じゃあ.....焦凍君.....？」
私が試しに名前を呼んでみると、彼は表情を歪めて顔を逸らす。
.....やっぱりヤダよね。私に名前を呼ばれるなんて。
そう思ったが、彼が自ら呼ぶように言ったので、我慢してもらうしかない。
...また彼に不快な思いをさせてしまった。
これ以上、とどろ....焦凍君の顔を見ていられなくて俯いてしまう。
このまま謝って台所に行こうかと思っていると...
「...お前、こんな時間に何してんだ。」
意外にも、焦凍君が私に声をかけた。
思わぬ出来事にビクッと体が跳ねる。
「あ...えっ....と.....早く目が覚めたから、朝ご飯の支度を....と、思って...し、焦凍君こそいつもより、起きるの早いね...」
かなり動揺しながら喋ると、『はぁ...』と彼からため息が漏れる。
それにまた体をビクつかせ、そっと彼に目線を合わせた。
「俺は毎朝５時に起きて10分くらい走ってから部屋に戻ってる。だから、毎日お前の方が起きるのおせぇよ。変な勘違いすんな。それと、朝飯の下準備は姉さんにやってもらえよ。お前の飯なんて不味くて食えねぇ。」
心底不機嫌だという顔をして私を睨みつけながら話す焦凍君。
それが怖くて、彼の努力に気づかなかったのが申し訳無くて、料理は得意な方だと思っていた自分が恥ずかしくなって...
視界が徐々に歪み始めて、口から出た『ごめんなさい』の6文字は掠れて聞き取りにくい。
ダメだ.....このままだと『また泣いて誤魔化すのか』って怒られる.....。
ギュッと服の裾を掴み、必死に目に力を入れる。
すると、もう私に構っていられなくなったのだろう。
「....もういい....部屋に戻れ。」
その静かな声が更に恐怖を膨らませて、彼に頭を下げて部屋に向かった。
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セレネ(プロフ) - 続編すごく楽しみです！更新大変だとは思いますが頑張ってください！応援してます！ (2018年8月17日 14時) (
レス) id: caaac3f99a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 続きみたいです(吐血) 更新大変だと思いますが、応援しています。この恋の行く末楽しみです。 (2018年8月16日 22時) (レス) id: b9e3ade31c (このIDを非表示/違反報告)
鈴木美妃(プロフ) - 続編めちゃくちゃ楽しみにしてます。更新頑張って下さい。応援してます。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: 5deb47caf1 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - 私も映画見ました！！本編じゃ絶対見れないようなシーンもあったので嬉しかったです。特にかっちゃん。 (2018年8月3日 22時) (レス) id: eef577390e (このIDを非表示/違反報告)
白龍(プロフ) - 久々の更新とても嬉しかったです！続編おめでとうございます！！これからも頑張ってください！ (2018年8月3日 21時) (レス) id: e12a3831fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kuumi
| 作成日時：2018年1月2日 22時
