story50 届かない手紙 ページ8
陽毬side
みんなが僕を見つめて言葉を待っている。だけど生憎、僕はそんなに優しい人間ではない。救いを求めるような星なしをばっさり斬り捨てた。
「残念だけど、
僕は棗と連れ立って、居心地が悪くなった教室を去った。流架を連れてこようか迷ったが、星なしのことが気になっているみたいだから置いて行った。今回のその後は流架に任せていいだろう。
棗の言葉を1つ否定するならば、学園の大人で信頼できる人はいないってところか。僕はナルのことをそれなりに信頼している。最近はナルのフェロモンを浴びせられてばかりだけど、僕が学園に来たばかりの時は随分助けてもらったし。反対に棗はナルのことを心底嫌っているようだけど。
棗と一緒に教室を出たものの特にすることはなかった。さっき手持ちのお菓子は全部食べ切ってしまったし、棗が持っていた漫画も読み終わってしまった。
「悪い陽毬、ちょっと北の森行ってくる。」
「大丈夫だよ。僕は部屋で昼寝でもしとくから。」
ちょっと歩いたところで棗が1人で北の森へ向かった。大分ストレスが溜まっているみたいだし、1人で気持ちを落ち着けたいのだろうと解釈して棗を送り出した。
宣言通り僕も自室に戻って仮眠をとった。最近任務の回数が増えてきて体に負担がかかっていたのだろう。ベッドに入るとすぐ眠りにつけた。
*
突然何者かに揺り起こされた。目を開けすぐに跳ね起きると、そこにいたのはペルソナで。電気を付けずにいた部屋には一切明かりが差し込んでいないから、もう日が暮れてしまったのだろう。時計を確認するともうすぐ夕食の時間だった。
勿論ペルソナが夕食の時間だからといって僕を起こしにくることはないので、きっと任務だろう。
何も言わずに僕が支度し終わるのを見届けると、無言のまま部屋を出た。着いてこいってことだろう。言葉くらい発したらどうなんだ、なんて不満は飲み込んで後に続いた。
今回の任務はいつもと違って少しやっかいだった。敵の数が多かったのと、こなさないといけない目的が多数あったので、何度もアリスを変換しなければいけなかった。
車に戻るなり後部座席に横たわる。キャパを越える変換回数に体が悲鳴を上げていた。
ペルソナはそんな僕を一瞥して、後部座席にパンを投げて寄越した。夕食を食べられなかった僕への配慮だろうか、ペルソナにしては優しい。
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えるふぃ(プロフ) - Rumiさん» Rumiさん、ご指摘ありがとうございます!! 火事に直してきました!気が付かず申し訳無いです…。細かいところまで読んでくださってありがとうございます! (2020年5月3日 1時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rumi(プロフ) - あの71話の火事が家事になってますが…。 (2020年5月3日 1時) (レス) id: 29532e4533 (このIDを非表示/違反報告)
ひらり - 30話目のアリス祭のとこのワカメさんのセリフ「ああ忘れる所だった。不人気どころかー...」が蜜柑のセリフになってるぞー。 (2014年4月12日 10時) (レス) id: 057e594f88 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - チェナさん 間違いを教えて下さりありがとうございました。助かりました。
一応気付いたところは直しました。
また 何かあったら言って下さいm(_ _)m (2013年12月25日 22時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - アルト(οπο)さん» アルト(οπο)さんありがとうございます。
初めて自分の作品にコメントを戴きをその上誉められるなんてとっても嬉しいです♪
これからも書くの頑張ります(≧∇≦) (2013年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: 39d6b953a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2013年11月29日 23時