第三話 ページ4
互いに無言で歩いて沈黙を破ったのは金髪だった。
「あの…腕痛みますか?」
おい、大の男のくせに可愛いな。
「あー大した事無いから。
多少痺れてる位だから。
でも貴方凄い力持ちだね。
トレーニングしてるの?」
と言えば金髪は気まずそうな顔をした。
「すいません…俺の不注意っす。
昔から自分の力のコントロールが出来なくて…」
泣き出しそうな位に悲しみを含んだ瞳。
あぁ、悪い事言ったかな。
「不注意って言っても…幾ら注意したって木の上にいる人はわからないでしょう?
それに木の上で寝てた私も悪い。
力のコントロールも貴方なら出来ると思う。
人生なんでもアリだから。」
微笑みながら言うと目を見開いて私を見る金髪。
「だってそうでしょう?
今日成し遂げていない事も明日には成し遂げているかもしれない。
少ない確率だとしても、確率はあるのだから。」
「…ありがとうございます!」
急に礼を言われてビックリした。
「え?何が?」
「初めてなんすよ 、そう言われたの。
勇気が出たというかなんと言うか、
希望を持たせてもらいました。
それにあの時…
いや、何でも無いっす。
あ、ここに知り合いの医師がいるんです」
着いたのは立派な高層ビル。
「あの時」その言葉のあとに何が続くのか気になったけど、
「お礼を言われたのは私も初めてだよ。
私からもありがとう。」
微笑みながら言ったら
金髪の彼の顔が赤く見えた気がした。
エレベーターに乗った時に思ったこと。
ぁ、名前知らない。だった。
「時に貴方の名前は何と言うのかな?
私はロゼ・サンティルカ宜しく。気軽にロゼって呼んで?」
→つづく!
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クッキー - 続きすごく気になります。更新頑張って下さい。 (2015年11月3日 0時) (レス) id: dcb396dc31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒狐玄狼 | 作成日時:2012年4月7日 23時