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34.教師の立場 ページ35





「それ、オレが出しておこうか。」

「...ありがとうございます。」


音楽室の鍵を閉めてカラ松先生が
「施錠済み」の札をかけると
ノートに指をさしてきた。

なんとなくデジャブ。

やっぱ松野先生の兄だから?

いや、松野先生は勝手に言って
勝手に取り上げたけど。


「大きな声でオレが朗読しよう。」

「やめてください!!!」


けど、性根はきっと同じだ。

カラ松先生もそんないじわるを
するのか、と少しびっくり。

「オレは絵本を読むのが上手いんだぜ」と
言ってノートを読もうとしたので慌てて止めた。


「そういえば、...........雨だな。」

「なんで溜めたんですか。」


そして少しすると当たり前のことを
溜めて言ってきた。

「今宵はオレが一番輝く夜...」とか言い始めたので結構やばい人なのか、とびっくりした。


「長嶋さん、バスで帰ってるよな?」

「...まぁ、そうです。」

「そうか。」


長い階段を降りていって昇降口の
下駄箱から靴を取り出してまた
職員玄関へ向かう。

カラ松先生はそこまで
ついてきてくれた。


「なぁ、」

「はい。」

「一緒に帰るか?」

「は?」


私が靴を履くのを上から見下ろしながら
カラ松先生はぼーっと呟いた。

思わず「は?」なんて言ってしまった。

いや、でも言うよね。


「先生と生徒ですよ?」

「それが問題なのか?」

「...その、バレたら。」


カラ松先生からそう言ってくれたのが
嫌なわけない。

いや、むしろ嬉しいし...。

バスで帰るのも虚しいし。


「意識してるのか?」

「え、な、何言ってるんですか!!」


カラ松先生はニヤついた。

顔がいいカラ松先生がそんな
顔すれば私だって照れるに決まってる。

私は慌てて目をそらした。


...なんだ今の。


「大丈夫だぞ?たまに生徒は送ってるし
オレは生徒指導部だからな!」

「.....いや、でも。」

「遠慮はするな、家まで送るから。
ちょっとそこで待っててくれ。」

「え、ちょ!!」


カラ松先生はそう言ってよく分からないポーズをして
職員室の方へ向かってしまった。

ホントにいいのかな。


帰ることも出来たけど、
私はそのままそこで立ち尽くした。

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設定タグ:おそ松さん , 一松 , 教師   
作品ジャンル:アニメ
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永松 - すっごくいいです!夢主のなんとももどかしい感じと一松先生のツンデレ?感がすごく甘酸っぱくて可愛いです!(๑♡∀♡๑) (2022年11月16日 7時) (レス) @page11 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ずんずんずっくり | 作成日時:2017年6月19日 1時

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