2.衝撃的 ページ3
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「えーと、今学期でこの学校の
教員やめて別の学校に異動します。」
ある日の授業。
その国語の先生は和やかな顔でそう言った。
教室全体でざわめきが少し起こるとすぐシーンと静まりかえった。「えー!」なんていいながらキャーキャー言ってたのに。
この先生嫌いじゃなかったから少しショックが大きかった。何故かポッカリ空いたような...。
そう思ってるとその先生はビシッと
後ろのほうに指を指した。
そうするとみんなはその方向に目を向けた。
目を向けた先には笑わない無口な
あの背の高い先生が立っていた。
何も言わず、ただ突っ立っている
デクの棒みたいだ。
「次の二学期からは、この松野一松先生に
やってもらうからね、おいで。」
その先生はのんきに右手でおいでおいでと手を振っていた。
そうすると、その棒みたいな先生は「はい。」と低い声を出して前の方にやって来た。
不思議なひと。
新任?いやそれならもっと私たちと
一緒の時期に入ってきたはずだけど。
とりあえず棒というイメージしかない。
「自己紹介して?」
「...はい。」
その先生が耳打ちするとまた
低い声で「はい。」と言った。
「今まで休養を挟んでいました。これから
1年生の現代文の担当になる松野一松です。」
そう言ってだるそうな声をあげた。
みんなは口をポカンと開けている。
というか、休養?
そう思ってると松野先生はまた口を開いた。
「まぁ、休養ってのは、
仕事でちょっと疲れてたからってやつ。」
教師としてはなんともマイナスな
発言を繰り出してきた。
なんともインパクトが凄い。
周りの子達もどんどん口が空いていく。
松野先生は1人でネガティブに喋りつつ1人で笑ったりちょっとヒステリックなとこがあるように見えた。
どうやら運動部の顧問になるらしい。
というか、元々そうだったらしい、けど。
この人を見た時、私にとっては
「あ、苦手だ。」って思う人だった。
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永松 - すっごくいいです!夢主のなんとももどかしい感じと一松先生のツンデレ?感がすごく甘酸っぱくて可愛いです!(๑♡∀♡๑) (2022年11月16日 7時) (レス) @page11 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ずんずんずっくり | 作成日時:2017年6月19日 1時