19.幼稚 ページ20
「何してるんですか！」
「あ？何って、いじめ。」
「正直！！！」
松野先生はぴたっと動きを止めて
私を外から出してくれた。
笑顔で正々堂々と
いじめとか言い出してくるし...。
奇行すぎる。
松野先生は「鍵貸して。」と言って、私の手から
勝手に鍵を取ってかけた。
「施錠済み」の札をドアにかけて
一息ついたようにこっちを見てきた。
「.....なんですか。」
「ん。」
「へ？」
「ノートちょうだい。」
「え。」
じっとこっちを見てくると勝手に
私の言葉も聞かずノートを奪い取った。
全ての行動の意味を問いたい...。
「お前、真っ直ぐ帰れ。」
「え、？」
「オレ、持ってく。」
「は？」
「職員室に。」
「.......あ、はい。」
まるで言葉覚えたてのゴリラ並に
短い言葉でそう言った。
はじめから「職員室に出しとく。」って
言ってくれれば良かったのに。
分かりづらっっ！！
「ねぇ、部活楽しいの。」
「へ、あ、はい。」
「ふーん。」
「.........。」
松野先生はひたすら何かと聞いてくる。
やたら距離がある音楽室から
門までの道がやけに長く感じた。
階段を2人で下りる音が
静かな廊下に響いてくる。
「このノート、何書いてあんの。」
「...今日の練習とか、感想とかです。」
「先輩の悪口は書いてないの。」
「いや、書きませんって…。」
「書けばいいのに、オレなら書く。」
「殺されますから！！！」
松野先生はニヤつきながら
闇オーラ全開でそう聞いてきた。
しまいには「今から大声で読んでいい？」とか
言って私のところを読もうとしたので
慌てて止めた。
...奇行。
「疲れた。階段キツ。」
「...え、」
「こんな階段登るくらいなら絶対
吹部なんて入らない。」
「目の前で言いますかね...。」
「言うよ、オレは。」
会話がすぐ途切れてまた話しての
繰り返しが続く。
松野先生はとんでもない無気力とだけ分かった。
私はひたすら苦笑いのオンパレードに
表情筋の無駄遣いを感じた。
横目でちらっと見ていると
職員玄関に続くとこまで見送ってくれた。
生徒の出る玄関は既に閉めてあり、
靴だけ取ってまた玄関へ向かった。
「オレの当番の時は2時間前には閉めるから。」
とサラッと凄いこと言い出してきた。
「早すぎます」としかつっこめなかった。
「んじゃ、出しとくから。」
「ありがとうございます。」
「ん。」
松野先生の意外な優しさに身震いがした。
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永松 - すっごくいいです！夢主のなんとももどかしい感じと一松先生のツンデレ？感がすごく甘酸っぱくて可愛いです！(๑♡∀♡๑) (2022年11月16日 7時) (
レス) @page11 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんずんずっくり | 作成日時：2017年6月19日 1時
