検索窓
今日:19 hit、昨日:1 hit、合計:61,118 hit

16.眼力 ページ17

「はい、終わり。あざーっした〜。」






授業終わりのチャイムが鳴った。

チャイム音がすると同時に松野先生は
教科書を閉じてそう言う。

自分がとっとと職員室に戻りたいのか挨拶もテキトーさ加減が出てる。気づいて見た時にはもう廊下を歩いてる行動の速さ。


「あ。」


漢字のやり直しプリント出すの
忘れてた。



「A〜!」

「待って!プリント出すの忘れた!」

「えぇ?」


席までやってきた百合を
押しのけると急いで教室から出る。

先生は足が長くて歩くのが早い。
だから追いつくのに結構大変。

後で出したら絶対殺される...。


小走りで歩くと松野先生の猫背な背中が見えた。


「先生!!」


大きめの声で呼んだけど気づく気配無し。


「ま、松野先生!!」

「...んぁ、」

「ぶわっ!!!」


名前を付け足したら気づいてくれた。
ビタっと止まってこっちをくるっと見た。

いきなり止まるから背中に激突してしまった。

ことごとく迷惑な奴みたいに思われてそう...。


「ひっ...!!」

「なに。」

「あ、あの、漢字のやり直し出し忘れてました...。」

「あ?.......どうも。」

「お、お願いします...。」


ものすごい眼力で睨まれたあと
プリントを受け取ってくれた。

受け取る時に見えた松野先生の
手が細くて白くて綺麗だった。

...なんか繊細。



「もういい?」

「はい。」

「じゃ、」



松野先生は私をじっと見たあと
また早足で帰っていった。













「あ、おかえり。渡せた?」

「うん、めっちゃ睨まれた。」


教室に戻ると違う友達と話していた百合が
わざわざまたこっちまで来てくれた。


「ほんとに百合あの人のこと好きなの?」

「えー?」

「肯定しないの?」

「ん〜、なんか冷めてきたかも」

「えっ、」


まさかの心変わり。

まぁ幻滅するのが普通だと思うけど。
意外に執着無くてびっくりした。


「なんかギャップもないし単純に暗いしさ〜」

「……心変わりはやっ」

「まぁ、アレでネクタイしゅるっとかやっちゃったら私また惚れ直すかなぁ〜。手取り足取り教えてやる...みたいな!」

「えぇ...?」



なんだそれ...。

百合の勝手な妄想のせいで私も妄想したら
なんか恥ずかしくなった。







...いや、何で恥ずかしいんだ。

17.ヒステリック→←15.誤解の連続



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
98人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , 一松 , 教師   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

永松 - すっごくいいです!夢主のなんとももどかしい感じと一松先生のツンデレ?感がすごく甘酸っぱくて可愛いです!(๑♡∀♡๑) (2022年11月16日 7時) (レス) @page11 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ずんずんずっくり | 作成日時:2017年6月19日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。