【おそ松さん】素っ気ない人。【一松】 (ページ12)

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11.怠惰ページ12

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バス来ないな。

まさかもう来ないとか？
いや、時間のタイミング悪いだけだけど。

多分ここに座ってから20分以上経ってるような気がする。さすがにお尻がなんか痛くなってきてちょっと硬くなったんじゃないか、と思う。

「...あ、」

ぼーっと学校の周りに生えている木をじっと見つめていると遠方から松野先生が帰ってきた。

何気早いな。

私と目が合うと一松先生は眉を
歪ませながらこっちに来た。

「何やってんの。」

「バス待ってます。」

「来ない？」

「そうです。」

「へー、災難だね。」

「絶対そんなこと思ってないですよね。」

ぶわっとふいた風から一緒に
タバコの匂いが少しした気がした。

松野先生は「...ふん」と言うと
私の横に座りかけた。

「え、」

「なに、座っちゃダメだって？」

「いや...先生だって暇じゃないはずだと思うんですけど。」

「うん、めっちゃ忙しい、すごく。」

「早く戻った方がいいんじゃないですか。」

「その戻る気力すらなんか無いね。」

きっと凄いんだろうけど向上心があんまりない人なのだと思った。

先生と二人でいるとか松野先生に限らずだけど何となく妙な緊張が生まれて話しづらい。

カラ松先生はあっちがグイグイくるから
少し楽な気もするけど。

こういう時なに話せばいいんだろうか、って
いつも思って後悔する。

「バス次何時？」

「..58分のやつです。」

「あと4分くらいじゃん。
もし来なかったらどうすんの。」

「待ちますけど……」

「ふーん。」

自分から聞いといてなんだよ...。

松野先生はため息を異様につきながら
目の前の職員玄関をじっと見つめていた。

「あ？」

「っ、...いや、なんも。」

その横顔を無心で見つめると
松野先生がこっちに気付いた。

その顔はとても不満に満ち溢れてて
なんだか呪われそうな気がする。

慌てて顔をそらして地面を見つめると松野先生が今度は私をじっと見てきて「...バス来るまで待つ。」とだけ言い放った。

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