205.もう一度だけ ページ10
「安心したわ。」
・
そう言った一松先生の顔は少し穏やかな顔をしていた気がする。
私もびっくりして覚えてない。
でも、一松先生の顔が赤くなっているのがわかる。
「い、一松先生…」
「な、……見んな」
両手を交錯させて顔の前で隠しながら逆に怒られる。
初めてこんなに焦る一松先生を見た。
なにこれ。
私だってどういう顔していいか分からない。
一体どういう意味で言ったのか知りたい。
先生の言動にまた振りまわされる。
いちいち、期待する。
「……っは、良かったね、おそ松兄さんが犯罪者にならなくて。おかげであんたも退学しなくて済んだじゃん。」
「いや、あの、一松先生、さっきのはどういう…」
「うるせぇな!しばくぞオラァ!」
「い、いきなり強気!!?」
顔を真っ赤にしながら一松先生は「勘違いすんな、思い上がるんじゃない」とめちゃくちゃ睨んでくる。
さっきのデレはどこへ…
私にほんの少しでも期待を持ってくれてるのかと思ってたけど、私の思い違いらしい。
「オレは、特別扱いしてる訳じゃない。」
「……はい」
「アンタに好意持たれてるからって言ったわけじゃないから。とりあえず上辺で言っただけだし。」
「…上辺、、」
ポンポン出てくる一松先生の闇攻撃は、「あくまで業務的な心配だということを忘れるな」とばかり。
逆に怒られてるこの状況はなんだ。
そこまで言われると逆に凹む。
「……すいませんでした。」
「分かればいい。てか、もうおそ松兄さんに近づくのもやめろ。」
「あ、…はい、すいません。分かりました。」
「アンタはオレで十分なんじゃないの。」
「………はい、」
一松先生は髪の毛をガシガシかくと、「あー、クソつまんない帰りたい」と言ってコーヒーを一気飲みする。
またサラッと聞こえた一言は、わざとなのだろうか。
先生はきっと自覚してるようでしてない気がする。
それがまた他人に誤解が生まれるってことを。
「え、なんで顔赤いの。」
「うわ、やめてください!!!」
「……変な顔。」
「さ、帰るよ」と言って一松先生は立ち上がると私の頭をガシッと掴んでほくそ笑んだ。
異常なくらい穏やかな顔する一松先生は逆に病気じゃないかとばかりに心配になるけど、それ以上に優しいからどうしようもなくまた先生が好きになる。
先生、この気持ちを
もう一度だけ。
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永松(プロフ) - ぐはっしぬ一松イケメンすぎるしトト子ちゃん可愛いしもうやばいこんな作品作ってくれてありがとうございます! (2022年11月16日 21時) (レス) @page50 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)
も - パスワード教えていただきたいです! (2021年10月4日 17時) (レス) id: d81adfc2e6 (このIDを非表示/違反報告)
松野クロ松 - あー…一松先生のこと好きな人が増えなくてよかったけど…いやいやいや!!言い方ひどくない!?別に人の気持ちを踏みにじるつもりないから!! (2021年9月22日 18時) (レス) @page45 id: 298605cae4 (このIDを非表示/違反報告)
松野クロ松 - ……嫌な予感するぞこれ……まさか後輩も先生のことが好きとか……まさかーそんなことないよねー……ほんとにそんなことあったらショックだわ…私転校するからいとこともみれなくなるんだよなー…まぁ悲しんでる暇なんてないけどね!!ww………続き気になる…www (2021年9月16日 22時) (レス) id: 298605cae4 (このIDを非表示/違反報告)
ずんぐり(プロフ) - 松野クロ松さん» コメントたくさんありがとうございます!いつもたくさんコメント頂けて私も嬉しいです!これからも頑張っていきます!(*^^*) (2021年9月11日 21時) (レス) id: c79d92d7a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ずんずんずっくり | 作成日時:2021年3月23日 14時