243.優しい一面 ページ48
先輩達と写真を撮り終えると、先輩達は楽しそうに帰っていった。やることもない後輩はひたすら周りを見る。
「あの先輩なに？一松先生にまじ恋なの？」
「あの人有名じゃん。」
友達の会話が聞こえながら私は無性に胸がざわついた。
視線をチラッとやる度、牧野さんが一松先生に話しかけるところが見えてしまう。
見たくないけど、気になってしまう。
卒業したら、…もしかして一松先生の気が変わるのかな。
「牧野ーしっかり勉強しろよ。」
「はーい！分かってるって！またいちまつせんせーに会いに来るから！！」
「来なくていいし。てか来んな。」
「ひどーい！！！でも、メッセージちゃんと書いてくれてるしツンデレー！！！」
優しい顔をした一松先生が笑っている。
手元には恐らく牧野さんの卒アルを持っていて、ペンで何かメッセージを書いている。
きっと「書いて」って言ったんだろうな。
そんなことばかりまるでストーカーみたいに見てしまう自分が憎かったけど、それ以上に胸がえぐられていく。
一松先生が2人の時にポロッと「牧野は苦手」って言ってたことを思い出した。あんなこと言ってたけど…。
それも嘘だったのかもしれない。
きっと、卒業後に会ったりもするのかもしれない。
…私の想いはこれで玉砕か。
「あ、Aだっけ？この前百合から聞いたけど、一松先生のことすきって言ってたのって。」
「へっ！？なに！？急に！！！」
「うそ！ライバルじゃん！あの人！まじ恋だよ！！！？」
はぁ〜と肩を落とすと友達が肩をバシンと叩いてそう言った。思わずびっくりして少し大きな声が出る。
百合は友達にも言ってるのか。
というより、近くに先輩いるのにそんな会話聞こえたら絶対バレる。慌てて「違う違う！」と否定する。
「顔赤いよ？A。いいの？先輩に一松先生取られちゃうよ？」
「……わ、私には関係ないし！！てか、静かにしてよ！」
チラッと遠くに目をやると、牧野さんと一松先生は楽しげに話したり、一緒に写真撮ったり距離が近いのが分かる。
ただただ虚しい気持ちになりながら一部始終をチラチラ見てしまっていた。目に毒なのになぁ、…。
「えー？何あの先輩。Aの方が可愛いし。」
「ちょっ、…静かに！！！…っあ、」
一松先生と牧野さんが横並びになって写真を撮る時ちょうど私はまた見てしまって、遠めを見ていた一松先生と一瞬目が合ったような気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
永松(プロフ) - ぐはっしぬ一松イケメンすぎるしトト子ちゃん可愛いしもうやばいこんな作品作ってくれてありがとうございます！ (2022年11月16日 21時) (
レス) @page50 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)
も - パスワード教えていただきたいです！ (2021年10月4日 17時) (レス) id: d81adfc2e6 (このIDを非表示/違反報告)
松野クロ松 - あー…一松先生のこと好きな人が増えなくてよかったけど…いやいやいや！！言い方ひどくない！？別に人の気持ちを踏みにじるつもりないから！！ (2021年9月22日 18時) (レス) @page45 id: 298605cae4 (このIDを非表示/違反報告)
松野クロ松 - ……嫌な予感するぞこれ……まさか後輩も先生のことが好きとか……まさかーそんなことないよねー……ほんとにそんなことあったらショックだわ…私転校するからいとこともみれなくなるんだよなー…まぁ悲しんでる暇なんてないけどね！！ww………続き気になる…www (2021年9月16日 22時) (レス) id: 298605cae4 (このIDを非表示/違反報告)
ずんぐり(プロフ) - 松野クロ松さん» コメントたくさんありがとうございます！いつもたくさんコメント頂けて私も嬉しいです！これからも頑張っていきます！(*^^*) (2021年9月11日 21時) (レス) id: c79d92d7a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ずんずんずっくり | 作成日時：2021年3月23日 14時
