【おそ松さん】素っ気ない人。5【一松】

232.心底嫌になる ページ37

次の日、バレンタイン当日になって朝から友チョコ交換してるのが辺りでちらほら見えた。

…心底嫌になるな、このイベント。


男子たちは貰えるのかとソワソワしている。

カップルは一緒に食べていたりと最初幸せだなと見てて、どんどんイライラしてくる。




チョコ作る時間も無かったから、市販のやつを結局1個何故か持ち歩いて学校に来てしまった。

トド松先生に「絶対あげなよ」と念押しされたけど到底無理な気がしてならない。






「きゃー！カラ松先生！！！」





遠くからでも分かる歓声が聞こえると、そこには女の子に囲まれたカラ松先生がいる。

チョコ貰ってるんだろうか、顔見ると満更嬉しそうにしている。やっぱり嬉しいんだ。


って、あ。

今一瞬カラ松先生は笑いながらこっちを見てバチッと目が合った。あの時以来話してなくて気まずいのに。



「あ、カラ松先生いるじゃん！行こ！」

「うん！やば！貰ってるよ！もう！」


「え、…ちょ、」



1年の女子達が大勢で来るかと思ったらその大群に巻き込まれる。上手く避けきれなくて一緒に来ちゃいましたみたいな、感じになる。

必死に出ようとすると、ますます出られなくてカラ松先生にどんどん近づいていく。



「おーおー、サンクスサンクス！ガール！」


これでもかとモテるカラ松先生も異常。

キラキラ笑顔で来る者拒まず精神がすごい。


「すみません」と言って大群から出ようとすると
全くそんな通してくれる感じもなく逆に前に押し出されてよろけそうになる。


「っ、うわ！！！！」

「おっと！危ない！！！」



背中から後ろへ転びそうになると、カラ松先生が
身を乗り出して私の体がをキャッチする。

その途端、周りが静まり返ってその一部始終をガン見される。



これは、終わった。




「大丈夫か？ガール。チョコあげるにももう少し気をつけてだな………ん？」

「………、」

「長嶋さん？」



チラッと顔を見られると、顔はすぐ側でこの前の時よりもグッと距離が近くなっていた。

無言で目をそらすとカラ松先生は優しく体を起こす。




カラ松先生は私をじっと見ると「…ちょうどいいな。こっちから入ろう。」と言って、他の生徒いる前でガシッと手を掴む。



「へ？」

「じゃあ、ガール！プレゼントはまた職員室で待ってるぜ！」






足早に駆けて階段上がると、職員玄関の方へ向かう。

後ろからは「えー！」の声が聞こえてくる。








こっちのセリフだし！





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