218.進路希望 ページ23
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学校から帰る時、担任の先生に呼び止められて「これ決まったら出してくれ」と進路希望の紙を渡される。
「何でもいいから興味持ったものを書けばいい」と言われたけどそんな簡単に決まるわけもない。
しぶしぶ貰った紙はずっと白紙のままになりそう。
「はー…」
ため息つきながら廊下に、置き勉するための教科書をどっさり持って行く。ホントはダメだけど。
1番上に乗せた他より少し小さい国語の教科書をパサッと落として歩いてきた女の人の足元に落としてしまう。
「あっ、…ごめんなさい!」
「あら?」
「あっ…」
慌てて教科書を全部下ろして、足元の教科書を拾って顔を上げるとトト子先生とニコッと目が合う。
思わず「うわ!」なんて失礼な声あげると積んであった教科書も全部雪崩のように崩れてトト子先生が笑い出す。
「…すみません。」
「いいのよ、気にしないで。
あなたやっぱり面白いね。」
「………何も面白くないです。」
「ごめんごめん」と気さくに話すトト子先生は、近くに落ちてた白い紙をパサッと拾って広げて見る。
それが進路希望の紙で、まだ何も書いてなかったからなんか恥ずかしくて「あ、あの、それは…」と少し言い訳しようとする。
近くで見るトト子先生はいつもの倍に可愛くて、隣にいるだけで緊張するのにこんなに話せるだなんて。
目がクリクリでカラコンでも入ってるんじゃないかって思うくらい。
「まだ決まってない?」
「まぁ…そうですね。遅いですよね。」
「んー、そんなこと無いと思うよ?まだ2年生だし。
1月だし。焦らなくていいよ?」
「…そうですかね。」
「ありがとうございます」と言って、積んだ教科書をロッカーに入れてくと、トト子先生は「焦ってテキトーに決めちゃう方が損すると思うなぁ、私は。」と呟く。
確かにそれはある。
「これから探すの?Aちゃん。」
「まぁ、…そうですね。」
「私でよければ、一緒に探してみる?」
「っえ、…」
話の流れでトト子先生は「一緒に探そうよ」と言った。思わず同性なのにドキッとして少し嬉しい気持ちになった。
「後で職員室おいで。置き勉あんましちゃダメだからね?」と、ボソッと見抜かれたことを言われてトト子先生は職員室に戻っていく。
密かに憧れのような気持ちで見ていたトト子先生は相変わらず周りの生徒を虜にするのが上手い。
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永松(プロフ) - ぐはっしぬ一松イケメンすぎるしトト子ちゃん可愛いしもうやばいこんな作品作ってくれてありがとうございます! (2022年11月16日 21時) (レス) @page50 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)
も - パスワード教えていただきたいです! (2021年10月4日 17時) (レス) id: d81adfc2e6 (このIDを非表示/違反報告)
松野クロ松 - あー…一松先生のこと好きな人が増えなくてよかったけど…いやいやいや!!言い方ひどくない!?別に人の気持ちを踏みにじるつもりないから!! (2021年9月22日 18時) (レス) @page45 id: 298605cae4 (このIDを非表示/違反報告)
松野クロ松 - ……嫌な予感するぞこれ……まさか後輩も先生のことが好きとか……まさかーそんなことないよねー……ほんとにそんなことあったらショックだわ…私転校するからいとこともみれなくなるんだよなー…まぁ悲しんでる暇なんてないけどね!!ww………続き気になる…www (2021年9月16日 22時) (レス) id: 298605cae4 (このIDを非表示/違反報告)
ずんぐり(プロフ) - 松野クロ松さん» コメントたくさんありがとうございます!いつもたくさんコメント頂けて私も嬉しいです!これからも頑張っていきます!(*^^*) (2021年9月11日 21時) (レス) id: c79d92d7a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ずんずんずっくり | 作成日時:2021年3月23日 14時