【おそ松さん】素っ気ない人。3【一松】

141.思わせぶり ページ44

どうやらおそ松先生は今日
出張でたまたまうちの学校へ行くらしかった。

最初からそれ言ってくれれば理解したのに
おそ松先生は「女の子捕まえる」とか
意味不明なことしか言わなかった。

相変わらず能天気すぎ。



おそ松先生は私の横に座って
子どもみたいにはしゃいだりする。

近くの下級生に凄い目で見られるのが気になる。



「何でぴったり私の横座るんですか、
なんか誤解生んでるみたいなんですけど。」

「え、悪い？もしかして乙女の心傷つけてる？」

「傷つけてるっていうか、なんというか...、」



うちの学校に松野が2人も居て、ましてや兄弟で、
顔そっくりなのにおそ松先生が私の横座ったら
状況知らない人は付き合ってるように見える
みたいに思われそうだ。

まぁ付き合ってるみたい、なんて
口が裂けても言えないけど。



「まさか不純正行為とかいうの？」

「ちょ、声でかいです！！」

「やだー、Aちゃん、エッチーきゃー！」

「静かにしてください！！」



思っていることを悟られてるかのように
おそ松先生はニヤニヤしながら
結構でかい声で言った。

顔がいいからいい感じに腹が立つ。←


そんな表情にちょっぴり
浮ついてしまうから。



「あーあ、まぁオレじゃ無いもんね。」

「何拗ねてるんですか。」

「そりゃ拗ねるよ、結構マジなのに。」

「そうなんですか。」



あはは、と笑ってケータイを触り出す
おそ松先生を横目に、何がマジなのか
よく分からないまま返答した。







もし、一松先生が座ったら
どうしてたんだろう。



いや、先生は女子高生の隣なんて
座ることないか。

あの人車だし。





「.......、」

「.....。」




チラッとおそ松先生を見やるとまだ
スマホ画面に夢中。

おそ松先生の横顔ホントに
そっくりなんだよなぁ。


無邪気な顔は一松先生とは違うけど、
その他はほぼ生き写しみたい。

実際そうか。




「なに？」

「え、あ、いや。」

「もしかしてかっこよすぎて惚れちゃった？」

「いや、それは無いです。」

「んだよ！ちょっとは
惚れてくれてもいーじゃん！」

「学校着きますよ。」

「無視！！！！」





何かと迫ってくるおそ松先生をスルーしつつ
私はバスを降りる準備をした。

おそ松先生の言葉に
動揺してしまいそうだ。








何かと、

こんな感情ぐちゃぐちゃ。







好きなのは、一松先生なのに。


なんだろう、このモヤモヤ。

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