【おそ松さん】素っ気ない人。3【一松】

129.久々ぶり ページ32

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次の日、なんかモヤッとしたような
気持ちで学校へ向かう。


あの後家に着いて携帯を見るとトド松先生から
ものすごい数のLINEがきていた。

ハートの大量使いで文章がほとんど
文字化けみたいになっていた。


妖怪文字化け野郎、とかいうあだ名を
勝手に思い付いて笑いがこみ上げそうになった。

我ながら小学生みたい。




「ちょっと手洗ってくるね。」

「オッケー！」



昼時になって教室が食べ物の
匂いで充満しだした。

4限からの空腹が今日は異常でさっさと食べたい気分。


先に食べようとしていた百合に一言言って私は廊下の方のドアを開けた。ガラッと開けると、大抵人とぶつかりかける。



ガラッ


隣クラスの廊下前を通ろうとした時、
前のドアから大きな背中がドスッとぶつかった。

「っあ、」と少し声が漏れて
私は謝ろうと視線を上に向けた。


「ごめんなさい...」

「あ、こちらこそ。」

「.....あ、」

「あ、」


視線を向けると一松先生。

少し授業長引いたのか今日は遅めの帰り。


間近で見る一松先生は背が高くて肩幅もある。
けど、猫背のせいで少し小さく見える。

久々ぶりにちゃんと顔を見た。

いや、見てしまった。
いつも見る度、一松先生の顔を見てこんな顔してたんだって思って恥ずかしくなる。



一松先生は私を鼻で笑うと「すいませんね、こんなゴミが横入りしてしまって早く消えます」と卑屈に呟く。

慌てて「そんなこと無いです」って言ったけど。


眉間にしわが寄っている。


何となくの雰囲気で何故か一緒に
短い廊下を2人で歩いた。

妙な緊張と心の距離に意識がいって
周りの声なんて聞こえない。


ドキドキしてる。

一途に好きって感じがする。



「トイレ？」

「いえ、...手を洗いに来たです。」

「あ、そう。」



少しの会話も、素っ気ない態度も全て
一松先生らしくて好きになる。

先生との距離に、私はまた好きが増す。


だから、先生への気持ちが
顔に出てしまいそう。



「あ、なんか落ちた。」

「え？」



隣に歩いてる一松先生の姿が無くなったかと思うと後ろで何かを拾ったのかしゃがみ込んだ。
振り返って少し近づくとクシャクシャの紙切れだった。


「なにこれお前の？」

「え？」


そういえば...なんて思って、3秒後には
しまった、って心臓が飛び出そうになる。

もしかして昨日貰ったゴミ...← じゃなくて紙？
おそ松先生の笑顔が脳裏にチラつく。









一松先生は真顔だった。




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