97.呼んで ページ49
「ご、ごちそうさまでした...。」
震える声で箸を置くと
ものすごい張り詰めた空気がした。
おそ松先生と松野先生に
見られる羞恥。
おそ松先生だけならともかく
松野先生相手は恥ずかしい。
宙に浮くような、
背中がむず痒いような感覚。
「腹溜まった？ポテチ食う？」
「た、食べませんよ。」
その空気を最初にぶち壊すのはおそ松先生。
あっけらかんとしている。
「一松食べない？」
「要らない。お腹空いてないから。」
「えっ、塩対応！？ひどくなーい！？」
「うるさい、てかそれオレのポテチ。」
そんな態度にも素っ気なく
松野先生は返事をする。
怒ってるみたいな言い方だけど
ちょっと顔はほころんでいた。
「じゃあもう食ってやる！」と
おそ松先生は意味不明に結局ポテチを食べた。←
てか、いつ持ってきたんだろう。
時計をみると3時半。
松野先生の家に来てだいぶ
時間も経った。
外は大雨。
ジットリした空気は
前髪のカールも落としてしまう。
「あの、松野先生。」
「「あ？」」
「えっ、」
「「」」
そろそろ帰った方がいいか。
そう思っておかしくない頃合だった。
松野先生、と呼ぶと2人が
同時に返事をした。
おそ松先生と松野先生は
互いを見合って黙りこくる。
そうか。
兄弟だった。
忘れてた。
あんだけ名前で呼べばって言われてたのに。
「うわ、反応しちゃったじゃん。」
「ご、ごめんなさいおそ松先生。」
「わかってるけど反応しちゃうよね〜」と
おそ松先生はブーっと顔を膨らませた。
そういえば私松野先生のこと
名前で言ったことない。
無意識なのか、今更なのか。
きっとどっちも当てはまるかもしれないけど。
「確かに紛らわしい。」
「えっ、」
「オレおそ松兄さんと間違われるとか地獄だし。」
「えっ？」
「名前で呼べば。」
「んっ？」
松野先生はそれを聞いて淡々とそう言った。
おそ松先生をなんとなく
けなしてたのは置いとくけど。
「オレにだって、一松って名前あるから。」
「.......っ、」
「呼んで。」
「.......っは、はい。」
そんなこと言われるなんて
思ってもなかったから、
私の心はバクバクに
ただ好きがひたすら増すばかり。
好き。
先生、
松野先生。
一松先生。
・
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永松(プロフ) - 夢主が恋に気づき出して意識し出しているところがたまりません可愛いです！一松sideがないのが余計夢主の心情に食い込むのがいいです！ (2022年11月16日 11時) (
レス) @page4 id: a7a9653a86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ずんずんずっくり | 作成日時：2018年8月31日 16時
