【おそ松さん】素っ気ない人。2【一松】 (ページ29)

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77.溢れる気持ちページ29

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何やってんだ、私は...。
また変なとこ見られた。

松野先生にきらわれてそう。

「ごめんな、長嶋さん。」

「いえ...別に。」

カラ松先生は、松野先生に
指摘されてすぐ離れた。

「別に意識してやってないからな」と
必要以上に言われたけど。

まぁ...いっか。

カラ松先生にきっと、
そんな感情わかない。

多分。

(...いや、多分って何？)

「お前生徒指導部のくせに、クソだな。」

「はは、お前のせいだぞ一松。」

「は、.....。」

ちらっとそんな会話が聞こえて、
松野先生と少し目が合った。

なんか申し訳なくて、
すぐ目を逸らしてしまったけど。

...逆にきらわれたかな。

「そういや、また教えることになるね。」

「...え？」

「あ？」

「あっ、もちろんです、ごめんなさい。」

松野先生がいきなり私に向かって
口開いた。

久々っていうか、最近ぶりだけど
緊張してしまった。

ちょっとびっくりしたけど。

「あの...、」

「なに。」

「.......。」

あと一押しの勇気なのに。

「先生に教えて貰えますか」って。

聞きたいのに。

松野先生が素っ気ないのも
わかり切ってるし、

きっと、図々しいだろうし。

こんなこと聞いたらきらわれるって。

「.......、」

聞けない。

(...いや、聞けるわけない、無理。
顔見るだけでも精一杯なのに。)

喋ってるだけでも奇跡か。

「.......、」

「なに、早くしてくれない。」

「っ、すいません...。」

...怒らせてしまうし。

最悪だ、私。

「カリカリするな、一松先生。」

「あ？口出しすんな。」

「小魚食べよう！」

「オレは猫か。」

見かねたカラ松先生が
少しだけフォローしてくれた。

なんだか身にしみたようなきがした。

「用ないならもう行く。」

「あ、...」

そう言って松野先生は後ろを
くるっと向いてもう行こうとした。

カラ松先生も慌ててついて行こうとしていた。

「ま、...松野先生、」

「ん、」

私は思わず呼び止めた。

私は...、

「授業頑張ってくださいね...、」

先生のことが好きだから。

「.......、」

(...上からみたいなこと言ってしまった。)

「.....生徒に心配されるとか、どーも。」

「！」

絶対迷惑って言われると思ってたけど、
松野先生は笑いながらそう言ってくれた。

その時の笑顔が優しくて、

焼き付いて離れなかった。