【おそ松さん】素っ気ない人。2【一松】 (ページ24)

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72.高鳴る熱ページ24

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「おはようございます、先生。」

「おはよう、長嶋。」

「イス出しの手伝い来ました。」

「わかった、出すか。」

・

体育館へ向かうと入学式の
最終準備をしている先生達が沢山いた。

演奏スペース付近に顧問の先生がいて
なにか紙を見て立っていた。

「あそこから椅子出すか。」

「そうですね。」

体育館の中に収納されているあの
やぐい←イスの引き出しを指さした。

結構重そうだけど...大丈夫なのかな。

「よし、引っ張るか。」

「はい...。」

先生と一緒に2人でグッと
力を出してみた。

...けど、か弱いのかビクともしなかった。

いや、...この量の椅子入ってて
簡単に出せる訳もないか。

「...んー、困ったな。助っ人...。」

「重いですね...。」

先生はボリボリ頭をかいて
そりゃ無理だわ、という顔をした。

「あそこの先生達呼ぶか。」

「えっ、」

いや、...あそこにいるのって。

松野先生？

「ちょっと呼んでくるな。」

「えっ、ちょっ...。」

先生は松野先生達がいる元へ
走って行った。

私は松野先生がそこにいた事も
気づかなかった。

...いつの間にかいたんだ。

「長嶋！呼んできたぞ！」

「あっ、.....はい。」

そして、しばらくも経たずに先生達は
やって来た。

松野先生と、新しい女の先生と、
3年生の学年にいた先生達。

割と多い人数の先生達と一緒に
イスの引き出しを開けた。

その時たまたま近くにきて
私は心臓が無駄に高鳴った。

「.......あれ。」

「ひ、久しぶり.....です。」

「....どうも。」

偶然松野先生と目が合って、
逸らすにそらせなかった。

相変わらず低い声。

だるそうな猫背。

長くてスタイルのいい体。

スーツは無駄に着こなしていて
やっぱりかっこよかった。

「ありがとうございます！先生方！」

「いえいえー！演奏頑張ってね！」

「.....は、はい。」

イスの引き出しは無事開けれて、
先生はみんなにペコペコしていた。

3年生にいた先生が応援してくれて
少し照れくさくなった。

「...演奏すんの？」

「し、しますよ。」

「へー、期待してる。」

「.......あ、.......。」

その後、ぼそっと松野先生が
椅子を運び出す私に近づいてきて、
そう言い放って元の場所へ戻って行った。

.....遠回しにこれは。

「頑張れ」って言ってるよね？

「...........っ、」